2020 Fiscal Year Research-status Report
An integrated production planning method with flexibility and profitability in global supply chain
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20K14987
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黄 茜 早稲田大学, 理工学術院総合研究所, 研究員 (60769298)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統合計画 / 輸送モード / 輸送ルート |
Outline of Annual Research Achievements |
サプライチェーンにおいて全体利益の最大化を追求することが多いのが現状である.全体の期待利益が如何に優れていても,各拠点での考慮や拠点間の連携が足りなければ,拠点間で利益の過度の不平準化が生じてしまう.特に,経営環境の激しい変化により,対応能力の弱い拠点がさらに弱くなっていく恐れがある.弱い拠点が継続的に赤字を発生し,企業全体の収益性は外から見るときは確保されていたとしても,サプライチェーンの内部の資金,資源,労力バランスは悪化していることになる. 本研究ではそのような問題点を解決するために,サプライチェーン再設計の研究で広く用いられる数理モデルによる最適化に加え,経営上の視点で問題を分析すると共に各拠点の不採算を発生させないような新たな目標を加え,全体利益最大化かつ赤字拠点が発生しない生産計画方式の構築を目指している.このように,経営環境の大きな変化に対応し,①同時決定の手法を開発し,グローバル生産ネットワークの全体利益を上げる,②全体利益最大化だけでなく,各拠点の不採算を考慮して新たな目標を加え,③経営階層で固定された要素を計画階層に入れ込んで統合決定などの意思決定により拠点の不採算を抑制するモデルの構築が問題解決につながると考える. 初年度はこれらを検討するための物流機能を考慮してモデリングした.グローバル化に伴い,物流コストがコスト全体に占める割合が大きくなっており,生産計画における物流プロセスの重要性が増大しているための物流機能を考慮した統合生産計画によって,輸送モードの選択と輸送経路の選択が生産計画に対して非常に重要であることが検証できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初予定通りに研究を遂行している.
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Strategy for Future Research Activity |
事例調査から得られるサプライチェーンリスク(拠点の不採算性発生)の具体的な事例と,様々な産業を対象とする文献調査によって列挙されるリスクの要因を洗い出し,最も関係がある要因(移転価格問題)に焦点を当てる.上流の関連企業から下流の関連企業へ部品・製品を売却する際の単価は元々経営階層で固定されていたが,ここでは,頑健かつ柔軟な統合計画モデルを構築するために,経営階層の一部分の固定機能を取り出し,トップダウン計画手法を用いて,複数の意思決定階層を跨ぐ統合生産計画支援システムの構造を明らかにしたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により,参加を予定していた国際会議が行けなくなり,次年度使用が生じた.感染の回復に伴い,学術会議に参加し,本分野の専門家と交流しながら研究成果の公開を行うために,研究費を使用する予定である.
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Research Products
(3 results)