2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Evacuation Simulation Method Based on Human Flow Estimation via WiFi Signal Measurements
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20K14989
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
内種 岳詞 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (70710143)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人流推定 / 人流計測 / 避難シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「WiFiシグナル計測によるリアルタイム匿名人流推定のためのフレームワークを利用し,避難シミュレーションでの人流データ利用の有用性を検証すること」である.目的達成を目指し,「2020年度に実施予定であったがコロナ禍で延期していた,名古屋駅地下街エスカにおける人流のリアルタイム推定データを得る課題」及び「名古屋駅地下街エスカにおける避難シミュレーション実験」に着手した. 1つ目の報告として人流計測実験についてまとめる.2020年度にリアルタイム人流計測装置の開発は完了しており,人流計測を実施予定であった.人流計測の実験補助要員として学生アルバイト1名を8月から9月にかけて雇用した.しかし,コロナ禍が継続したため,2021年度も計測は実現できなかった. 2つ目の報告として人流推定アルゴリズムの開発についてまとめる.コロナ禍が2022年度以降も続いた場合に研究課題の達成方法を変更する可能性がある.そのため,日々大きく変化する人流の推定にも利用できるアルゴリズムの開発を追加で行った.その開発状況を「オクルージョンを考慮した通行者の位置推定のための粒子フィルタ適用の検討」の表題で,動的システムの状態推定とデータからの学習およびその応用研究会DS2ELDiA2022を含め3件発表した. 3つ目の報告として避難シミュレーション実験についてまとめる.研究協力者の中村栄治教授の協力により,人流シミュレータPTV Vissimにて名古屋駅地下街エスカにおける避難シミュレーションの再現実験を行った. 最後に,次年度は,2020年度の目標であった「人流計測」及び,2021年度の目標であった「リアルタイム人流推定結果と実際の人数の時間推移との誤差を検証する」ことを目指す.また,避難シミュレーションに計測で得た人数分布の情報を利用し,「人流データ利用の有用性を検証する実験」に着手する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度の課題であった「避難シミュレーションで利用可能なように,名古屋駅地下街エスカにおいて人流のリアルタイム推定データを得る」がコロナ禍の継続で実現できなかったため,2021年度の課題であった「リアルタイム人流推定結果と実際の人数の時間推移との誤差を検証する」も実現できていない.名古屋駅地下街エスカにおける人流推定は,1週間や1ヶ月の間隔で定常的な人の流れが名古屋駅地下街に存在することを前提にしていたため,コロナ禍の影響により店の営業時間短縮や人の流れが日々大きく変化するなど人の流れの変化が大きい場合には利用できない.そこで,日々変化する人流の推定にも利用できるアルゴリズムの開発を追加で行い,「LiDARを用いたオープンキャンパス会場の入退場者検出」及び「Wi-Fiシグナルデータを用いた人数推定における回帰分析手法の比較」の表題で,計測自動制御学会システム・情報部門大会2021にて発表し,加えて,「オクルージョンを考慮した通行者の位置推定のための粒子フィルタ適用の検討」の表題で,動的システムの状態推定とデータからの学習およびその応用研究会DS2ELDiA2022で発表した.以上の進捗状況より,2020年度に実施予定であった名古屋駅地下街での人流計測および人流推定データ獲得には至っていない.そのため,名古屋駅地下街エスカでの計測は,コロナ禍の状況に関わらず2022年度に実施することとした.そして,追加で開発を進めてきた日々変化する人流の推定にも利用できるアルゴリズムを利用して,シミュレーション実験を行う.しかし,シミュレーション実験とその成果をまとめるには残りの研究期間1年では短いことが予想されるため,コロナ禍を理由に研究期間を1年延長することを予定している.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究目標は,「名古屋駅地下街エスカにおける人流計測」及び「リアルタイム人流推定結果と実際の人数の時間推移との誤差を検証する」ことである.まず,2020年度から2021年度にかけて開発してきた人流計測装置と日々変化する人流を推定するアルゴリズムを利用して,コロナ禍の状況に関わらず2020年度に実施予定であった名古屋駅地下街での人流計測を行い研究の遅れを解消する.また,データを得て初めて可能となる2021年度の目標達成に向け,データベースサーバーに保管した人流データを,任意の時空間粒度で人流推定データに加工するアルゴリズムを実装する.そして,推定された人流と実際の人流をカメラで撮影した結果とを比較し,ノイズ処理のパラメータ調整を経てリアルタイム人流推定精度を明らかにする.こうして,任意の時空間粒度の人流推定データとその精度が得られたことを,実験報告論文として学会誌に投稿する. 任意の時空間粒度での人流推定データは,2022年度の避難シミュレーションへと応用が予定されている.避難シミュレータPTV Vissimは,研究協力者の中村栄治教授の協力により利用できる状態である.人流推定データの精度とその避難シミュレーション結果への影響についてシミュレーション実験による検証を開始し,途中経過を国内学会で発表する. 加えて,避難シミュレーションでの有用性検証の結果をまとめ論文誌に投稿するために,研究期間を1年間延長すること予定している.
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Research Products
(3 results)