2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Evacuation Simulation Method Based on Human Flow Estimation via WiFi Signal Measurements
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20K14989
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
内種 岳詞 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (70710143)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人流推定 / 人流計測 / 避難シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「WiFiシグナル計測によるリアルタイム匿名人流推定のためのフレームワークを利用し,避難シミュレーションでの人流データ利用の有用性を検証すること」である.目的達成を目指し,「名古屋駅地下街エスカにおける人流のリアルタイム推定データを得る課題」及び「名古屋駅地下街エスカにおける避難シミュレーションによる避難誘導と推定避難時間の関係調査」に着手した. 1つ目の報告として人流計測実験についてまとめる.時空間粒度が可変の人流データ推定のために,動画による人の追跡や混雑時の人の動きについても調査実験を行った.しかし,コロナ禍により日々の人の流れの変化が大きいことから,平常時の人流をリアルタイムに長期間計測できず,代わりに日々の人の流れの変動の大きさを見積もることを目的として,2022年8月4日から5日にかけて名古屋駅地下街エスカで開発した人流計測フレームワークを利用した人流計測を1日実施した.得られた地下街滞在者数の空間分布と過去の計測における空間分布の両方の条件で避難シミュレーションを実施することで,滞在者の空間分布が変化した際の避難時間の変化を確認できる.2つ目の報告として人流シミュレータPTV Vissim を利用した避難シミュレーションについてまとめる.コロナ禍前の2019年8月25日から26日にかけて名古屋駅地下街エスカにてオフライン人流計測が実施されており,1時間毎の地下街滞在者数の空間分布が得られていた.そこで,2019年の滞在者が外水氾濫により西側の階段を利用して避難するシナリオを想定し,避難時間を推定した.その結果,最も滞在者数の多い時間帯では13分56秒もの避難時間を要することが示された.この報告内容は,計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2022にて発表題目「名古屋駅地下街における人数分布の推定と避難シミュレーションの開発」にて公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に予定していた人流計測がコロナ禍の影響で実施できず,研究遅延が発生した.まず,コロナ禍により日々の人の流れの変化が大きいことから,平常時の人流をリアルタイムに長期間計測できず,代わりに日々の人の流れの変動の大きさを見積もり利用する計画に変更をした.そして,2022年8月4日から5日にかけて名古屋駅地下街エスカで開発した人流計測フレームワークを利用した人流計測を1日実施した.次に,人流シミュレータPTV Vissim を利用した避難シミュレーションを開発した.コロナ禍前の2019年8月25日から26日における名古屋駅地下街エスカにおける,1時間毎の地下街滞在者数の空間分布を利用し,2019年の滞在者が外水氾濫により西側の階段を利用して避難するシナリオで避難シミュレーションを実施できるように設定を行った.このシミュレーション結果は,2022年に計測して得られた地下街滞在者数の空間分布の条件でも避難シミュレーションを実施し比較してはじめて,滞在者の空間分布が変化した際の避難時間の変化を示すことができ,本研究の目標が達成される.しかし,研究遅延分を1年では取り戻せず,2022年の計測結果を利用した避難シミュレーション実験と過去の計測結果を利用したものとの比較は未達である. よって,本研究の目標を達成するために,2019年の滞在者の空間分布と2022年の滞在者の空間分布の両方を利用して避難シミュレーションを実施し,滞在者の空間分布が日々の変動することによる避難への影響の検証が必要である.また,避難シミュレーションによる避難時間予測精度にも疑問が残るため,論文誌へ投稿するためには追加の検証が必要である. よって,研究目標の達成に,研究期間の1年延長を申請した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究目標は,「日々変化する人数分布による避難時間の変化の検証」及び「避難シミュレーションによる避難時間推定精度の検証」である.まず,コロナ禍で日々の人流変動が大きい状況が続いたため,2019年および2022年に計測された滞在者の人数分布の差を日々の変動と捉えて,2つの条件で避難シミュレーションを実施する.加えて,避難シミュレーションによる避難時間予測精度については,避難時間の目標が設定されている全館避難のシナリオにより妥当性を検証する.そして,避難シミュレーションでの人流データの有用性検証の結果をまとめ論文誌に投稿すること予定している.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,研究計画がコロナ禍の影響で遅れ,予定していた学会での発表及び論文誌への投稿が未達であり,研究期間の延長を申請したためである. 使用計画は,国内学会発表のための旅費2件として300千円,学会参加費2件および論文投稿費1件として150千円を,加えて,研究を継続するための文房具やPC関連消耗品の購入費用として211千円を,それぞれ執行する計画である.
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Research Products
(4 results)