2022 Fiscal Year Annual Research Report
土木工事現場における咀嚼筋活動と表情変化に着目したマルチモーダル危険検出システム
Project/Area Number |
20K14991
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
濱崎 峻資 中央大学, 理工学部, 助教 (10849003)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 建設現場の安全 / 画像認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速に少子高齢化が進む日本において,土木建設工事においても労働力不足,熟練工不足が問題となっている.問題解決のため建設機械の高度化,自動化が進められているが,同時に建設機械と作業員とが共存する環境における安全確保が重要な問題となる. 厚生労働省の労働災害統計によると,全産業における死亡事故のうち建設業における死亡者数は34.0%を占めるなど,建設現場における作業員の安全は重要な課題である.問題解決のため,現在の建設工事現場の中のいつ,どこで危険な事象が発生しているのかを知る必要があるが,経験をもとにした定性的・主観的な検討にとどまっている.本研究では,安全と効率を両立させたマネジメントのため,作業員の咀嚼筋活動と表情に着目し,建設工事現場において作業員の認知した危険事象の発生を検出し収集するシステムを構築することを目的としている. 本研究の目的を達成するため,初年度は研究実施計画の①,②に従って,市販のヘルメットの改造を行い,作業員の反応を実際に計測するための計測システムの開発を行った.その後,研究実施計画の③に従い,VRを用いた被験者実験を行った.ヘッドマウントディスプレイを用いて被験者に危険事象を疑似体験させ,危険事象によって惹起された情動を顔面映像から検出するために必要なデータを収集した.結果として,危険事象の経験によって瞬目や表情に変化がみられることを突き止めた.最終年度である2022年度は,研究実施計画④に従い,提案システムの検証を行った.実際に転倒の危険がある場所を設定した模擬環境を設置し,その環境を歩行する人間のデータを取得し,VR実験によって得られた知見との検証を行った.以上の内容を論文雑誌に投稿準備中である.
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