2021 Fiscal Year Research-status Report
水中鋼構造部材のダイバーレス非接触肉厚測定のための装置小型化と調査システムの構築
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20K14998
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
虻川 和紀 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (50756731)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超音波 / 非破壊検査 / 厚み計測 / 鋼構造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中鋼構造物の主要部材である鋼管杭や鋼矢板は経年劣化とともに腐食し,肉厚(鋼板の厚さ)が薄くなり鋼板に孔が開いてしまう等,施設の安全性低下につながる重大な変状が起こり,これらは施設の崩壊の一因となる.現在は,潜水士による接触式の肉厚測定が行われているが,潜水士が活動できない高速流域などの危険水域では,施設の停止等が必要,計測できない箇所がある.潜水士によらない計測方法が実現されれば,施設の停止等をせずに点検可能となるとともに,維持管理技術の向上が期待できる.そこで本研究では,淡水域や潜水士が活動できない高速流域等の危険水域の鋼構造部材を対象としたダイバーレス非接触肉厚測定を目的とし,超音波非接触式肉厚測定装置の『測定装置センサー部の小型化』,『肉厚値算出のための波形解析アルゴリズムの改良』,『淡水域・危険水域での調査方法の検討』を実施する.2021年度は,2020年度の結果を踏まえ,下記の項目を遂行した. (1)測定装置センサー部小型化の検討として,検討用計測システムの構築,検討用センサーによる厚み測定評価を引続き行った.厚み測定評価は,異なる周波数・口径の平面探触子を複数用い,試験鋼板(厚み10mm~4mm)を対象とし,計測可能距離,周波数・口径による測定精度・正確度,測定対象との角度による測定誤差を評価した.また,昨年度に浮き錆が生じている鋼板の計測が出来なかった問題について,計測データの再取得を行った. (2)錆びた鋼板を測定対象とし,検討用センサーを用いて,測定精度・正確度を評価した. (3) (1)・(2)で取得した測定データを用いて,肉厚値算出のための波形解析アルゴリズムの改良も開始した. (4)潜水士によらない,岸からの垂下式治具の検討および水中ロボットを用いた計測法の検討を開始した.今年度は,センサー取り付け治具の試作と室内水槽のみで検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実水域でのデータ収集が行えていない.実水域での実験を工場内のポンプが稼働している集水桝で予定していたが,コロナ対策により工場内への立入りが難しくなり延期となった.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も前年度の検討用センサーによる実験結果に基づき,小型化センサーについて検討を行う.ここでは,周波数や口径とともに計測治具等の方法を含めて検討する.昨年度に引き続き,検討用センサーで取得したデータを用いて,肉厚値算出のための波形解析アルゴリズムの改良を行う.また,改良した解析法を用いて実水域での実験を実施する.さらに,垂下式治具の検討および水中ロボットを用いた計測法の検討を引き続き行う.
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Causes of Carryover |
実水域での実験を工場内のポンプが稼働している集水桝で予定していたが,コロナ対策により工場内への立入りが難しく,延期となり計画に変更が生じたため,前倒しで来年度計画を実施したが次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,翌年度分と合わせて現地試験実施費用として使用予定.
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