2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of metal-CFRTP multi-material joining technology using special shape electrodeposited film
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20K15045
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 竜也 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (00847486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルチマテリアル / 異種材料接合 / めっき / CFRTP / ステンレス鋼 / アルミニウム合金 / 引張せん断試験 / ガルバニック腐食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特殊形状Ni-Cuめっき膜を用いた金属とCFRTPとの接合技術の確立を目指す。二年度は、Ni-Cu合金めっき浴中のスルファミン酸ニッケル濃度およびめっき条件を変化させたときのNi-Cuめっき膜形状が、SUS304/CFRTPおよびA5052/CFRTPの接合強度に与える影響を調査した。さらに、Ni-Cuめっき膜を施したSUS304およびA5052とCFRTP間の腐食挙動をガルバニック電流測定および腐食面観察によって評価した。 接合強度試験について、SUS304/CFRTPでは、スルファミン酸ニッケル濃度が高くなるほど接合強度が高い傾向を示した。特に、450 g/Lの条件で生成されたNi-Cuめっき膜を用いて接合した試験片の平均接合強度は18 MPaであり、評価した条件下で最も高い接合強度を示した。一方、A5052/CFRTPでは平均接合強度が7~10 MPaであった。試験後の破面観察より、SUS304/CFRTPではNi-Cuめっき膜とCFRTP母材のPA6で破断した一方、A5052/CFRTPではNi-Cuめっき膜とPA6、さらに下地Zn/Ni膜界面で破断していたことを確認した。 ガルバニック腐食試験について、SUS304/CFRTPでは、Ni-Cuめっき膜の有無に関わらず、ガルバニック電流は流れないことを確認した。A5052/CFRTPでは、ガルバニック電流が流れ、A5052が優先的に腐食することを確認した。ただし、Ni-Cuめっき膜付のA5052/CFRTPでは、めっき膜無しと比較し、電流値が10~20 μA/cm2低いことがわかった。このことから、A5052にNi-Cuめっき膜を施すことでガルバニック腐食を抑制することが明らかとなった。また、腐食面観察より、Ni-Cuめっき膜を施したA5052においても一部腐食が生じていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ni-Cu合金めっき浴中のスルファミン酸ニッケル濃度およびめっき条件を変化させたときのNi-Cuめっき膜形状への影響について、電気化学測定および断面観察によって明らかにした。また、特殊形状Ni-Cuめっき膜を付与したSUS304およびA5052とCFRTPを接合し、引張せん断試験によって接合強度評価を行うことで、Ni-Cuめっき膜形状がSUS304/CFRTPおよびA5052/CFRTPの接合性に及ぼす影響を明らかにすることができた。さらに、ガルバニック腐食試験によって、Ni-Cuめっき膜有無におけるSUS304およびA5052/CFRTP間のガルバニック電流を取得し、それぞれの腐食挙動を明らかにすることができた。現在は、当初の計画通り、SUS304/CFRTPおよびA5052/CFRTPの疲労試験に着手しており、これらの疲労特性について明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
SUS304/CFRTPおよびA5052/CFRTPの疲労試験を実施していくとともに、A5052/CFRTPの接合強度を向上させるため、下地Zn/Niめっきの条件適正化を図る。A5052/CFRTPの接合強度がSUS304/CFRTPよりも低い要因として、下地Zn/Niめっき膜の密着性不足が挙げられる。SUS304は下地Niめっき膜を、A5052は下地Zn/Niめっき膜を生成した後に特殊形状Ni-Cuめっき膜を生成するが、A5052では下地Niめっき膜を生成する際にZnとの置換めっきが生じたために密着性が低下した。また、ガルバニック腐食試験においても、A5052にめっき膜を施すことでガルバニック電流は低減したが、下地Zn/Niめっき膜の密着性が不十分であったためにA5052の一部に腐食が生じていた。以上のことから、下地Zn/Niめっきの条件適正化が必要であると考え、現在検討している置換めっき抑制手法について評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響による学会のオンライン化により、旅費を使用することがなくなり次年度に繰り越すことになった。次年度は各学会が対面で開催されるため旅費として使用するとともに、本研究に必要なめっき部材の購入に充てる。
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Research Products
(7 results)