2021 Fiscal Year Research-status Report
Recycling of end-of-life neodymium magnet based on liquid-alloy deposition trough electrorefining of molten salt
Project/Area Number |
20K15069
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
LU XIN 東北大学, 工学研究科, 助教 (00781452)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | リサイクル / ネオジム / 磁石 / 溶融塩電解 / 共析 / 液体合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主にNd(III)還元反応に及ぼすフッ素イオン影響、及びLiCl電解浴においてネオジム(Nd)イオンの析出、及び鉄(Fe)イオンとの共析挙動の解明を目的とした。 1)フッ素イオンがNdイオン還元反応に及ぼす影響:昨年度の電気化学実験では、フッ素イオンの導入によって、Nd(II)の反応が抑制され、Nd(III)の還元は一段階反応になる傾向があると確認できた。その結果を踏まえ、本年度はNdイオンの6倍以上のフッ素イオンを添加すると、Nd(II)による不均化反応を抑制したことを明らかにした。特に、フッ素イオンをNdイオンの6倍入れたLiCl‐NdCl3浴中に、金属Ndが安定になって、長時間溶解しても粉末として分散しないことを確認できた。その結果に基づいて、電解実験では、LiFをフッ素イン源として少量に添加したLiClを電解質として利用した。 2)Ndイオンの析出挙動及びFeイオンとの共析挙動:800度において、Ndイオンのみの析出実験の結果、析出したNdが固体の粉末になる傾向があり、電解質中に分散し、収率が悪かった。一方、Feイオンを予め0.2mol%添加した電解質を使用した場合、塩を混合した金属状析出物を回収した。電析物が磁気性を持ち、XRF分析結果では純Feを混合したことが分かった。Feイオンの初期濃度が大きいため、Feリッチ相が析出したと考えられる。また、Feイオン初期濃度を0.04mol%まで低減し、また、カソード電流密度を450mA/cm2まで上げた結果、金属光沢がある析出物を得た。析出物を水に入れて発生した水素を計量し、析出物に金属Ndが含まれることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の結果を踏まえて、本年度は更に溶融塩におけるネオジムイオンの析出挙動を電気化学測定の手段で解明した。また、電気化学基礎測定結果に基づいて、鉄イオンの導入によってNdーFe合金が得られた。しかし、Feイオン初期濃度及び添加速度は不十分であり、連続的な液体合金はまだ製造できなかった。来年度は、Feイオンの初期濃度及び添加速度を制御し、連続的にNdーFe液体合金の製造を目的とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)Feイオンの初期濃度及び添加速度の制御によって、連続的にNdーFe液体合金の製造:液体Nd-Fe合金を製造するために、電解質に常にFeイオンが少ない条件を作らなければいけない。そのため、Feイオンの初期濃度を低減する。また、連続的にNd-Fe液体合金を製造するために、Feイオンの消耗速度に応じて、Feイオンの連続的な添加は重要である。本年度は、Feイオンの添加間隔を短くすることによって、電解質中のFeイオン濃度の変化を抑制する。これらの工夫によって、Feイオンの連続的な添加によってNdーFe液体合金の共析を行う。 2)Nd金属をアノードとして、模擬電解リサイクルを行う。Nd金属をアノードとし、Nd金属の溶解でNdイオンを連続的に供給する。また、Feイオンの供給は、連続的にFeイオンを添加する方法、およびFe金属をアノードとして溶解する方法、との2つ方法を利用して、NdーFe液体合金の共析を行う。 3)以上の結果を踏まえて、廃棄磁石をアノードとして、Nd-Fe液体合金の電解製造を行う。Nd金属の代わりに、廃棄Nd磁石をアノードとして、電解実験を行う。Feイオンを連続的に供給することによって、新磁石に使えるNdーFe母合金を製造する。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染拡大防止の関係で、2021年度対面の学会発表が実施しなかった。そのため、旅費として計上した経費は残った。その分について、来年度連続的に電解実験に使用する予定である。
|