2021 Fiscal Year Annual Research Report
Suppression of Coffee Ring Effect by Controlling Morphology of Particle Aggregate
Project/Area Number |
20K15075
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三野 泰志 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (70709922)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 粒子懸濁液 / 乾燥 / コーヒーリング現象 / 数値シミュレーション / 格子ボルツマン法 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子懸濁液滴の乾燥過程で起こるコーヒーリング現象を凝集体の存在によって抑制することを目指した。シミュレーションと実験による検討を行い、以下の知見を得た。 【シミュレーション】昨年度、構築した粒子懸濁液の乾燥シミュレーションモデルの拡張を行った。まず、粒子を含む気液二相系(粒子-気体-液体の三相系)モデルを開発した。SwiftらのFree-energy型格子ボルツマン法により気液二相を表現し、また改良Smoothed Profile法により粒子-流体間の相互作用を計算することで、気液界面に存在する粒子の動力学的挙動を模擬することに成功した。このモデルに溶媒蒸発モデルを導入し、粒子懸濁液の乾燥による粒子配列挙動の三次元シミュレーションを可能にした。種々の条件で粒子懸濁液の乾燥シミュレーションを行った結果より、粒子の液体に対する親和性の違いによって形成される粒子膜構造が変化することを見出した。 【実験】凝集体が粒子膜形成に及ぼす影響を実験により調べた。凝集体を意図的に含ませた懸濁液をガラス基板上で乾燥させ、粒子が堆積する様子を顕微鏡により観察した。粒子が十分に分散した状態では、最密に充填された粒子膜が形成されるのに対して、凝集体が含まれる場合には、ランダムかつ疎な構造の粒子膜が形成されることを明らかにした。これは粒子が凝集することで、その移動が阻害されたことによるものと考えられる。さらに、このような非最密な構造が形成されることにより、接触線の移動の仕方が変化し、コーヒーリング現象の抑制に一定の効果があることが示された。
|
Research Products
(10 results)