2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding deactivation mechanism of homogeneous catalyst by using micro flow reactor and automated experiments
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20K15081
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅野 周作 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (30827522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自動化 / アルゴリズム / ソフトウェア / 装置設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
フロー式の実験では、分析装置に直接配管を接続することで実験・解析の自動化が可能である。また、高温・高圧条件で反応を進行させることや、高速な反応を追跡することも可能である。本研究では、こういったフロー式反応器の特長を生かし、触媒反応の速度論的検討を進めている。 今年度の成果として、シリンジポンプ・バルブ・ヒーターの制御および温度、センサー値等の記録を行うためのソフトウェアを独自開発し、運用に成功している。インラインHPLCを接続することで、実験結果の分析およびフィードバックも行うことができるようになっている。HPLC分析系の制御および成分ごとのピーク面積計算には、汎用の制御・解析ソフトウェア(LabSolutions, Shimadzu)を組み合わせて用いることで、正確性の高い解析が行えている。また、HPLC分析結果からフィードバックをかけて実験条件を決定するためのアルゴリズムとしてSNOBFIT法(Stable Noisy Optimization by Branch and FIT)を導入することに成功している。 モデル反応系として、N,N-diethyl-2-phenylacetamideを1,1,3,3-tetramethyldisiloxane を用いて還元する反応を例にとって自動化実験を行った。触媒としては、Vaska錯体(IrCl(CO)(PPh3)2)を用い、トルエンを溶媒として検討を行った。フロー式反応器の特性を生かし、反応時間を数秒から数分まで短くして検証を行った結果、条件によっては数十秒で反応が完結していることが判明した。これらはこれまでのフラスコ(バッチ式反応器)を用いた検討では全く知りえなかった、新規性の高い情報である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の事情のため、出張に制約がかかり、当初予定していた情報収集や成果発表などには大きな支障が出た。独自ソフトウェアの開発や反応器の設計については、当初の予定を大幅に上回る速度で進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、対象基質や触媒等を変更しながら、反応速度解析および触媒失活機構に関する検討を進めていく。速度解析の正確性を担保するための検証系の設計および反応装置の改良も行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、国際学会参加がなくなったこと、購入したシリンジポンプに特別割引が適用されたことにより、大きな残額が生じた。 次年度に、研究進捗に合わせた形で実験設備を拡充していくことで使用する。
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