2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of effects of flask gas phase on microorganisms during shaking culture and proposal of new shaking culture method
Project/Area Number |
20K15097
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 将人 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (60826965)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 液内振盪培養 / 振盪フラスコ培養法 / モニタリングデバイス / 二酸化炭素換気能 / 酸素換気能 / ガス制御システム / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物を用いた生産技術の開発や改善を図るうえで、作業しやすいスケールで低コストかつ多検体を検討できる振盪フラスコ培養法は重要な液内培養技術である。本年度は、昨年度に続き、従来の振盪フラスコ培養法で設定できる培養環境の詳細を調べるとともに、これまで得られた知見に基づき、振盪フラスコ内の新たなガス制御を実施した。 具体的には、振盪フラスコ培養法に特化した気液二相のガスをモニタリングできるシステム(Circulation Direct Monitoring and Sampling System:CDMSS)を活用した結果、微生物を用いた振盪培養中のフラスコ気相部は、経時変化に伴うガス濃度の変化だけでなく、鉛直方向のガス濃度勾配が存在していることが明らかとなった。振盪培養に限らず静置培養でも同様の傾向が確認された。前年度とこれらの知見から、微生物培養する際に、培養栓やフラスコの形状などを含めた振盪フラスコ内の気相環境は、従来の培養条件とは異なる意図せぬ結果を誘引する原因の1つになることが示唆され、重要な培養因子の1つであることが明らかとなった。また、従来の振盪フラスコ条件下の気相部はガス制御が不十分であるため、換気能力を増大でき追加電力を要さない換気デバイス(Nonelectric Bellows Pump for shake-flask:NeBP-sf)を考案した。モニタリングシステムとPID制御を組み合わせたガス制御は大掛かりであったが、NeBP-sfは、フラスコを設置する振盪基盤のデッドスペースに備え付けることができる大きさであり、従来の培養栓やフラスコを利用でき、利便性に優れている。CDMSSを用いてNeBP-sfの換気能力を調べた結果、振盪条件やNeBP-sfの装着数に依存するが、従来の培養栓と比べて約2~4倍増大できた。NeBP-sfを用いることで、外気とフラスコ気相部内のガスを素早く置換できるようになり、従来の振盪培養中に生じるフラスコ気相部の二酸化炭素濃度の増加と酸素濃度の減少を抑制できた。
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Research Products
(4 results)