2022 Fiscal Year Research-status Report
First-principles Calculation of Light-Spin-Charge Conversion Materials
Project/Area Number |
20K15115
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 直也 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 特任助教 (70868116)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピン分裂 / スピンテクスチャ / 電場 / 有効電荷 / 永久スピンらせん / ベリー位相 / 異常ホール効果 / 異常ネルンスト効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず初年度から引き続き開発した電界効果を調べるための一様電場印加計算コードの検証を行った。コードの定式化など手法開発の成果は国際学術誌Computer Physics Communicationに掲載され計算コードを完成させた。 前年度に共著者として関わるBiTeIの結晶構造予測で発見された準安定相の研究で、詳細な解析の結果、860 meVのワイドギャップトポロジカル絶縁体相や、最安定構造と同様にスピン分裂が生じる相があることが分かった。電場印加計算コードからボルン有効電荷を求める応用計算を行うことで結合特性の解析を行った。この研究成果は論文としてまとめられた。 一様電場下での任意のk点における固有値・固有ベクトルの計算手法について開発・検証し、それを応用することで、開発しているスピンテクスチャ計算コードを電場印加下の場合においても対応できるように拡張した。 また、スピンテクスチャコードの高速化・高精度化を行い、それを活用して水酸基終端ダイヤモンド表面における永久スピンらせん状態の予測がなされ、論文としてまとめられた。 磁気熱電効果である異常ネルンスト効果と異常ホール効果の物性評価計算コードの開発に貢献した。その提案手法は、同物理量の計算で難点であったWannier関数の生成と反復計算がいずれも不要であり、従来手法と比較しても効率的に計算が実施できるという点で優れている。提案手法のルーチンの高度化に貢献し、具体的には、先述の電場印加計算コード開発で得られた副産物である、最適化済みのベリー位相計算ルーチンを転用することで実践的な計算が可能となった。そのコードの手法開発の論文として、国際学術誌Physical Review Bに掲載され、さらにそのコードの応用計算により、鉄シリサイド系と原子層物質のMnBi2Te4に関して、特異な磁気熱電性が予測され、2報の論文の掲載に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スピンテクスチャ計算コードを電場印加の場合の対応のための拡張を行ったが、応用計算がまだなされていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
電場を印加した場合に対応するように拡張したスピンテクスチャ計算コードを用いて、応用計算を行い、スピン分裂の電界効果について、特に電子分極の寄与を調べる。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に遅れがあり、研究成果発表を次年度に延期するため。
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Research Products
(20 results)