2021 Fiscal Year Research-status Report
金属酸化物ゲルの微細構造解析とプリンタブルチタニアゲルの創製
Project/Area Number |
20K15126
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 大亮 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (20854673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 溶液プロセス / 液体プロセス / 金属酸化物 / チタニア / ナノインプリント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、液相法におけるチタニアの中間体(チタニアゲル)の構造解析を通して、金属酸化物ゲル構造の制御を行う。本研究の目的は、優れた熱変形性を有し、型押し印刷可能なプリンタブル-チタニアゲルの創製を目指すことである。令和3年度の目的は、プリンタブルチタニアゲルの作製とチタニアゲルの構造解析を行うことである。 前年度で得られたプリンタブル-チタニアゲルの候補に対して、パターン性能を評価した。パターン性能の評価は、ナノインプリントによるナノ・マイクロパターンの形成によって行った。有機金属分解法から作製した酸化物ゲルが良好なパターニング性能を示すと予想していたが、有機金属分解法から作製したチタニアゲルでは十分なパターニング性能を示さなかった。様々なチタニアゲルに対するパターニング性能評価の結果、チタニア溶液中の加水分解反応を進めたチタニアゲルが良好なパターニング性を示すことを見出した。現在では、1um以下のラインアンドスペースのチタニアゲルパターンを得ることに成功した。優れたパターニング性能を示したチタニアゲル、ならびにパターニング性能を示さなかったチタニアゲルに対して、高エネルギーX線回折によるチタニアゲルの微細構造解析を進めている。 本年度の研究の結果、チタニアゲルの成形性を大きく向上させることに成功し、プリンタブルチタニアゲルの候補を得ることができた。これらの結果は新たなプリンタブルゲルを創製する上での重要な知見となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ナノインプリントを用いたパターニング検証を開始した。その結果、良好なパターニング性を示すプリンタブルチタニアゲルの候補を見出した。現在、750nmピッチサイズのゲルパターンの作製に成功している。これらチタニアゲルに対して、FT-IRや高エネルギーX線回折による微細構造解析を進めている。以上のことから、今年度は概ね計画通りに研究を推進できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に見出したプリンタブルチタニアゲルを用いて、ナノインプリントによる様々な形状のナノ・マイクロパターンの作製を行う予定である。ラインパターン、ドット、ピラー、レンズ形状の作製を試みる。それに伴ったパターニングの条件最適化を行う。また引き続き、高エネルギーX線回折、熱分析やFT-IRによるチタニアゲルの構造解析を行うことで、チタニアゲルのプリンタブル性が何に起因して決定されるのかを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
学会等にかかる旅費を使用しなかったため、費用が予定より抑えられた。引き続き、ナノインプリントを用いたパターニング検討も行うため、より消耗品の使用量と頻度が高くなると予想される。例えば、ナノパターンを有するナノインプリント用モールドの加工依頼・購入を計画している。
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