2021 Fiscal Year Annual Research Report
AFMおよびイオン電流計測の統合に基づく創薬標的イオンチャネル解析システムの開拓
Project/Area Number |
20K15153
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉浦 広峻 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10844805)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MEMS / microTAS / 膜タンパク / AFM / 水晶振動子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,AFMおよびイオン電流計測の統合にもとづく創薬標的イオンチャネルの解析システムを開拓するものである.近年,in-vitro系に細胞膜環境を再現することで,創薬標的となるイオンチャネルを評価するスクリーニング手法が発達している.しかしながら,実験プロトコルやイオンチャネルの動態そのものに不確定性が大きく,光学顕微鏡による観察も難しいことから,実験の正確性,再現性の向上が課題となっている.そこで, (I)環状配置電極によりイオンチャネルの存在位置を探索する機構,(II)原子間力顕微鏡(AFM)によりイオンチャネルの状態を可視化する機構を統合した新手法を提案した.これにより,偽陽性検出リスクの抑制や,複雑なイオンチャネルの動態解析を実現可能とした.これは,とりわけ化学受容性評価に正確性を要するイオンチャネル創薬の領域で 必要不可欠な基盤技術となる. 本研究を実行するにあたり,(i) 微細加工技術を用いたイオンチャネル解析チップの実現, (ii), 環状配置電極を用いたイオンチャネルの脂質膜上の位置探索技術の実現,(iii), 液中AFMの実装によるイオンチャネルの構造,動態の可視化の実現が必要であった.このうち,微細加工技術を用いたイオンチャネル解析チップについては,そのプロトタイプを作製し,またAFMの計測実装に極めて適合しやすい脂質二重膜の形成方法を報告した.AFMによるイオンチャネルの撮像については,液中で高感度な力スキャナシステムが必要であるため,水晶カンチレバー式のフォースプローブを新たに作製し,基礎性能を実証評価した.環状配置電極を用いたイオンチャネルの脂質膜上の位置探索技術についても,当初想起した性能に近い特性を得ることができた.
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Research Products
(4 results)