2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of two-dimensional NbO2 superconducting layer realized by epitaxial thin film
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20K15169
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超伝導 / 強相関電子系 / 遷移金属酸化物 / 酸化物エレクトロニクス / エピタキシャル薄膜 / 透明導電体 / 二次元物質 / Liイオン電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,二次元NbO2超伝導面の全貌を明らかにする研究である。初年度である本年度は、その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の単結晶エピタキシャル薄膜合成とその基本物性測定に注力した。その結果,以下の3点について成果が得られた。 ①[Li1-xNbO2薄膜の合成法の確立とp型透明超伝導] 独自の"三段階合成法"を開発し,明瞭な超伝導転移を示すLi1-xNbO2エピタキシャル薄膜が初めて実現した。その結果,本物質はp型伝導性と透明性も併せ持つことが明らかとなり,初の"p型透明超伝導体"として電子材料としても応用できることがわかった。 ②[Li1-xNbO2の電子構造の観測] 合成に成功したエピタキシャル薄膜を使用し,放射光施設を利用した光電子分光・X線吸収分光測定を行うと,本物質に固有な孤立バンド構造が観測された。これは銅酸化物と同様な強相関シングルバンド構造が実現していることを証明している。 ③[NbO2面における二次元超伝導の観測] 単結晶試料であることを活用し,電流-電圧特性や超伝導臨界磁場の異方性を測定すると,超伝導は二次元的なNbO2面で生じていることがわかった。これらの結果は本研究の第一の目標である"NbO2超伝導面が理想的である"ことを証明している。 これらの結果の一部は原著論文としてScience Advances誌に掲載された。残りの成果も原著論文として既にまとまりつつあり近日中に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は [A] NbO2超伝導面を証明すること [B]NbO2超伝導面を解明すること の2つであるが,その前者が本年度で理想的に達成された。そのため,翌年度に繋がる電気化学の実験が既にスタートしており,一部の結果が得られつつある。 更に,本物質のエピタキシャル薄膜実現は圧力効果や光学特性に関する新たな共同研究にも繋がり,研究計画当初では予想できなかった更なる展開まで見込まれている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる来年度は,計画通り"NbO2超伝導面を解明する"調査を行い本研究を完遂する。具体的には,実現したLi1-xNbO2エピタキシャル薄膜をLiイオン電気化学デバイスに組み込む実験を行い,Li1-xNbO2の電子相図を完成させる。 その結果をもとにNbO2超伝導面の全貌を総括し,銅酸化物やその他の二次元超伝導面との比較を行う。そして,NbO2面における新しい物理現象や今後に繋がる新しい二次元超伝導面の実現指針まで考察する。
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Causes of Carryover |
他の助成金の獲得に成功し,共通で使用する消耗品類を他の資金で賄うことができたため次年度使用額が生じた。そのため,次年度では次のステップで必要な物品の購入に充てる事ができ研究が更に加速できる見込みである。
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Research Products
(11 results)