2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding and control of structure and electronic state of thin film of highly ordered organic semiconductor molecule via photoelectron-imaging
Project/Area Number |
20K15176
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長谷川 友里 立命館大学, 理工学部, 助教 (60829464)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 配向分子膜 / 角度分解光電子分光 / 光電子波数顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, [A]分子膜の成長過程を明らかにすることで高配向分子膜を作製し,[B]そのkx-kyおよびE-kマップ(光電子波数マップと総称する)を取得することで,基板と分子,および分子間の相互作用が分子膜の電子状態に及ぼす影響を明らかにすることで新規分子材料の設計指針を得ることを目指す.高配向分子膜の作製は,分子とその周辺との相互作用の電子状態への影響を明らかにすることと,多ドメイン形成の抑制により波数空間における分子軌道からの光電子パターンの重複を減らし,解釈をより容易にすることを目的とする.弱い相互作用からなる分子膜では分子レベルで均一な配向膜の形成と多ドメイン化の抑制を同時に実現する技術はまだ十分に確立されていない. 課題[B]について先行して進んでおり,2020年度には分子科学研究所UVSORに導入された軟X線光電子運動量顕微鏡における成膜や計測条件の取得に努めた.Au(111)基板表面のcoronene分子膜を対象とし,価電子帯の波数マップおよび共鳴光電子分光スペクトルを取得することができた.2021年度はそれらの結果をまとめ,UVSORシンポジウム2021ならびにALC21において発表した(リバイス原稿の査読中).並行して,graphite表面上のpentacene単層膜の低エネルギー光電子分光法による計測結果について,分子-基板間の弱い相互作用が伝導帯の電子状態に及ぼす影響に着目した解析を進め,得られた成果を発表した(学会発表3件).また2021年度には課題[A]を進めるにあたり,超高真空走査トンネル顕微鏡装置において試料作製および計測環境の整備に努めた.
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