2021 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光ファイバー共振器と原子の結合系における基礎理論と量子情報処理
Project/Area Number |
20K15190
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山越 智健 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 研究員 (30801245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 量子光学 / 光共振器 / 非線形現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子情報処理への応用に向けて、共振器系における量子操作についての解析を行った。解析する主な対象は、複屈折性を有する共振器系とグレーティングなどの周期構造の複合系である。多様な量子操作を研究するため、さまざまな共振器系や非線形現象について研究を行った。 比較的簡単な1次元化された共振器系について、多層膜系などに用いられる転送行列法を基に単純な2チャンネルの模型を構成し考察した。この模型では、量子操作において重要なFano共鳴や電磁誘起透明化などの共鳴現象が統一的に記述できる。この模型の解析解を導出することにより、複屈折率に相当する項などのパラメーター依存性を考察した。特に入射波が低エネルギーの極限にあるとき、入射波、反射波、および透過波の関係について、古典系との対応関係があることを見出した。またその結果について論文で発表を行った。 さらに、非線形現象を含む場合の量子操作についての検討を行った。様々な分野への応用を検討するために、非線形効果を記述する非線形シュレディンガー方程式(NLSE)の解について解析を行った。特に1次元の周期構造によって生成されるバンド構造に対して、非線形効果が与える影響について調べた。二つの異なる周期構造を持つ系について、時間非依存のNLSEを数値的に解く事により、非線形ブロッホ関数やソリトン解などの非自明な解が出現することを示し、またその特性について解析した。NLSEは冷却原子系においても有効な理論であり、冷却原子系におけるソリトン解の実験的生成法について数値計算を通して示した。またこの成果について論文で発表を行った。
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Research Products
(2 results)