2020 Fiscal Year Research-status Report
Ultra-high sensitivity laser phase noise measurement based on a self-referencing scheme
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20K15201
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 雅人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20635817)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザー / 周波数雑音 / 位相雑音 / 遅延自己ヘテロダイン法 / 光ファイバ / 遅延線干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
遅延自己ヘテロダイン法によるレーザーの周波数雑音測定において相関法の適用が測定限界を改善することを実証するため、予備実験として光ファイバ遅延線干渉計を用いたモード同期レーザーの周波数雑音測定に取り組んだ。被測定レーザーとしては、当初波長1.5 μmの連続波レーザーを用いる予定であったが、対象となるレーザーの種類をより拡張するため波長1550 nm帯のモード同期ファイバレーザ―を採用した。そして、モード同期レーザーに遅延自己ヘテロダイン法を適用するため、パルス光のチャープ補償が可能な光ファイバ遅延線干渉計を作製した。 光ファイバ遅延線干渉計を用いてコムモードの自己ヘテロダインビートを検出した。100 kHzの分解能帯域幅で45 dBという高い信号対雑音比のビート信号が得られた。このビート信号の位相雑音パワースペクトル密度を測定し、遅延長に対応した伝達関数を考慮に入れることでコムモードの周波数雑音パワースペクトル密度を得た。 遅延自己ヘテロダイン法により測定されたコムモードの周波数雑音パワースペクトル密度の信頼性を確認するため、測定不確かさを推定した。更に、この結果の妥当性を検証するために、基準レーザーを用いる従来の手法でコムモードの周波数雑音パワースペクトル密度を測定すると共にその不確かさを推定した。遅延自己ヘテロダイン法及び従来の手法で得られた結果は、それぞれ不確かさの範囲内で一致した。これは、遅延自己ヘテロダイン法で得られるレーザーの周波数雑音が高い信頼性を持つことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅延自己ヘテロダイン法によるモード同期レーザーの周波数雑音測定及びその不確かさ推定を行った。このことから、本研究で提案する手法は連続波レーザーのみならずモード同期レーザーに対しても有効であることが確認できた。当初計画していた相関法の適用には一歩及ばなかったが、今後の進展に期待が持てる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
遅延自己ヘテロダイン法によるレーザーの周波数雑音測定に相関法を適用し、その測定限界の改善を目指す。そのために、光ファイバ遅延線干渉計の改良とデータ取得プログラムの作成を行う。 これまでの研究で、光ファイバ遅延線干渉計がレーザー光に強度雑音を付加することが課題となることがわかった。今後は、この強度雑音の発生の原因を調べると共にその対策を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度は、遅延自己ヘテロダイン法への相関法の適用を後回しにし、モード同期レーザーの周波数雑音測定に注力した。これにより、データ取得用の高速デジタイザが直ちに必要ではなくなったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。 データ取得装置の購入は次年度以降に検討する。また、レーザー光に付加される強度雑音の低減が課題となることが新たにわかったので、これを解決するために支出することを考えている。
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