2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Alkaline Earth Salts having Highly Enhanced Radiophotoluminescence Properties
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20K15207
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 豪 金沢工業大学, バイオ・化学部, 講師 (90757840)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RPL / CaSO4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は材料合成、基礎化学特性評価、基礎物理特性評価および放射線応答特性評価の研究区分から構成する。材料合成で作製した材料は、組成や構造の観点から化学的に目的としたものであるかを基礎化学特性評価で検証する。基礎物理特性評価では光学特性を中心に調査し、放射線応答特性評価ではRPL特性のみならずTSLやOSL等の特性についても調査する。これら諸特性評価結果は材料合成にフィードバックされ、PDCA(Plan Do Check Action)サイクルにより材料を最適化する。また、材料の最適化に至るまでの変数パラメータを系統的に考察する事により、RPL現象の起源の理解に繋げ、材料設計指針を構築する。 新規RPL材料であるアルカリ土類硫酸塩(例えば、CaSO4、SrSO4、BaSO4など)に着目し、そのRPL特性が最大となる材料合成手法を確立し材料の最適化を行う。本材料によるRPLは申請者等により極めて最近(2019年夏)発見され、導入的事前調査実験によりその優れたRPL特性が確認された。しかし、その起源やメカニズムは理解されておらず、合成方法や厳密な組成制御により更なる特性向上が期待される。RPLの基礎特性を構造、光学、熱応答特性などの多角的な観点から詳細な化学的・物理的評価考察を行い、その現象起源を解明し、材料設計指針を示す事を目指す。 これまでに、反応温度、反応時間、微量添加元素・時間など異なった条件での合成を行い、そのRPL特性評価を行った。なかでも感度や安定性については作製条件に大きく依存する事が明らかとなり、現状で最も感度が高いものは既存するRPL素子よりも10倍以上の感度を有する事が明らかとなった。また、同RPL材料に特化した読取装置の構築も行い、10-100 uGyレベルの放射線検出・特性評価が可能な環境を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応温度、反応時間、微量添加元素・時間など異なった条件でのアルカリ土類硫酸塩を作製し、そのRPL特性評価を行った。特に感度や安定性については作製条件に大きく依存する事が明らかとなり、現状で最も感度が高いものは既存するRPL素子よりも10倍以上の感度を有する事が明らかとなった。また、同RPL材料に特化した読取装置の構築も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した試料の詳細な物理・化学特性を評価し、その発現機構の解明を目指す。また、反応雰囲気制御を行った合成を検討し、更なる特性の向上を目指す。さらに、これら知見をまとめ、個人被ばく線量計として実用可能か否かを判断する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当該年度に予定していた学会発表および外部実験に伴う出張の殆どがキャンセルとなり、旅費として計上していた予算の執行がなかった。次年度も出張予定が立たないため、研究を予定よりもさらに加速させるための合成系および評価系の構築に当てる。
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