2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K15225
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
黒井 邦巧 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (70757757)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイアモンドアンビルセル / 顕微測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究で主役となる高圧セルの設計・導入を行った。また、申請者が今年度に異動したために、本研究で必要な「細胞・大腸菌培養環境・赤外分光計測系」などの立ち上げも他予算も用いながら行った。下記では設計した高圧セルについて中心に述べる。本研究では高圧条件下で顕微測定(顕微ラマン測定・FCS測定)を行う。そのために、ダイアモンドアンビルセル(DAC)を用いることとした。顕微測定を行うためには、DACの試料部と対物レンズの距離(ワーキングディスタンス= WD)は可能な限り小さく取る必要がある。一方、試料部からの光(蛍光・ラマン散乱光)を得るために、開口角は可能な限り大きく取る必要がある。さらに、DACのダイアモンドの接頂部であるキュレット上で細胞を扱うため、キュレット径は可能な限り大きく取る必要がある。 上記の3点の要請を満たすDACとして、英国のALMAX社の日本代理店であるFITリーディングテックスと協力しながら、設計・製作を行った。その結果、WD = 5.5 mm、開口角85度、最大発生圧力2000 MPa、キュレット径1.5 mmのセルを製作することが出来た。DACは赤外分光器への取り付けが可能であり、内部発生圧力は封入した参照試料(硫酸バリウム)の赤外スペクトルより推定される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通り、初年度において高圧セルを設計。導入することができたが、脂質膜を用いた高圧下での測定には至っていない。申請者が異動に伴い、本研究に必要な研究環境の立ち上げを新たに行う必要があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、本年度より予算申請時の所属(東北大学薬学研究科)から異動した。そのため、現環境で実施可能な実験を見極め、本プロジェクトの進路修正を行う必要がある。本研究で予定していた顕微ラマン分光測定に必要な装置は、現所属の神戸学院大学薬学部にはないため、ラマン分光測定を中心として研究を進めて行くことは困難である。一方で、現所属大学には脂質膜流動性の評価も可能な蛍光相関分光(FCS)測定を行える環境があるので、研究手法にFCSも取り入れ、高圧下でのFCS測定を進めて行く。細胞膜に埋めた蛍光プローブのFCS測定から、単一細胞レベルでの高圧下の細胞膜挙動を追跡する。今年度で作製した高圧セルは赤外分光器への取り付けが可能であるので、圧力下での細胞膜構造について赤外スペクトルからの評価も行うことで、膜の状態に関する構造を情報を得ていく。(ただし、顕微測定は現環境では行えないため、細胞集団での評価となる。)次年度は、まずモデル膜脂質の圧力下での計測について検討した後、細胞へと展開していく予定である。加えて、前所属の東北大学薬学部の協力も得て、DACを用いた細部の顕微ラマン測定も行う予定である。
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Causes of Carryover |
100円以下の端数までを使い切ることが困難であったため。次年度は20円分を併せて研究計画通りに使い切る予定である。
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Research Products
(1 results)