2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K15225
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
黒井 邦巧 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (70757757)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイアモンドアンビルセル / 生細胞膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高圧下での生細胞挙動を明らかにすることを目指し、特に生細胞の細胞膜の圧力下挙動について、高圧下分光測定を通したその場観測から明らかにすることを目標としている。そのために1細胞について、アンビル背面からの全反射光励起を用いて生細胞膜を選択的に観測することを目標としている。2022年度も昨年度に引き続き、開発した顕微鏡用高圧セル(DAC)を用いて前年度に引き続いて、人口脂質膜および培養細胞を用いた基礎的検討を行った。脂質の相状態はCHの振動スペクトルより推定可能なことが報告されている。そこでバルク状態での人口脂質膜および培養細胞の透過赤外測定を用いた基礎的検討を行った。人口脂質膜は、脂質分子POPCをリポソーム化して重水とともにDAC内に封入して圧力効果を確かめた。その結果、脂質の相状態を反映するCH伸縮振動スペクトルに変化が見られ、脂質相状態の圧力転移が確認できた。次に、培養細胞としてHeLa細胞を用いた検討を行った。DACの直径1.5 mmのダイアモンドキュレット上に細胞を置き、重水とともに直径1 mmの金属ガスケット内に封入して圧力効果の測定を行った。これよりPOPCと同様にCH伸縮振動領域での圧力応答を観測した。また、封入した細胞の圧力下での形態についても顕微観察を行い、細胞破壊が起こらない圧力範囲について検討した。本課題では、細胞膜を選択的に観測するために細胞膜の全反射分光から計測することを目標としていた。波長370 nmの連続レーザー光を用いて、角度を変えながらDAC背面より入射させ、ダイアモンド面に塗布した蛍光物質を励起させることで、全反射励起の条件についての検討も行った。
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Research Products
(6 results)