2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Organic Dielectric Materials with High-Speed Photoresponsivity
Project/Area Number |
20K15244
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横倉 聖也 北海道大学, 工学研究院, 助教 (40834742)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 有機誘電体 / 光電変換 / 有機エレクトロニクス / 電荷移動錯体 / 強誘電体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光応答性の有機誘電体を開拓し,高速光電変換への応用を目指す.有機誘電体は極めて高い電子分極能を持つ.このような分極を光によって変調,制御できれば分極変化に由来する電流(分極電流)が発生するため,高速応答性の光電変換へと応用が期待できる. 金属/絶縁体/半導体/絶縁体/金属から構成されるMISIM型光電変換セルの光誘起分極電流を探索した.S層に用いる近赤外吸収材料として電荷移動錯体を候補材料とした. まず,分子設計によりアクセプターのLUMO準位を系統的に変化させることで,電荷移動錯体の基底状態を中性からイオン性へと連続的に変化させたところ,イオン性に比べ,中性錯体を用いたデバイスの1000倍もの電流強度を示すことがわかった.中性錯体とイオン性錯体において光応答性が本質的に異なることが示唆された. 次に,S層作製の際,PTCDAをテンプレート層として用いることで錯体薄膜中の分子配向制御をこころみた.薄膜XRD測定により,テンプレート層を用いた薄膜中で構成分子がface-on配向をとることが明らかになった.PTCDAを挿入したface-on配向膜では,未挿入膜に比べ光電流強度と応答速度の両方が改善された. MISIM型セルに外部電場を印可することで,分極ヒステリシスが誘発されることを見出した.光学測定,理論計算の結果から,この強誘電的挙動の起源が界面分極であると結論付けた.このような界面分極と光過渡電流の相関を探索したところ,電圧印可前に比べ,正に分極させたデバイスでは光過渡電流が大きくなり,負に分極させたデバイスでは過渡光電流が小さくなった.この結果から,界面分極により光過渡電流が制御可能であることが示唆された.
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Research Products
(7 results)