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2021 Fiscal Year Research-status Report

Development of Visible-Light Driven SET and HAT Dual Role Catalyst and Reaction System

Research Project

Project/Area Number 20K15287
Research InstitutionGakushuin University

Principal Investigator

内倉 達裕  学習院大学, 理学部, 助教 (50867869)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsEDA錯体 / 水素原子移動 / 光電子移動 / ラジカルクロスカップリング
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、フェノールを触媒として用い、Electron Donor-Acceptor (EDA)錯体を経由した、可視光駆動型一電子移動(SET)および水素原子移動(HAT)を組み合わせた反応系の開発を目的としている。フェノールとアリールハライドのEDA錯体からアリールラジカルを利用することによって、EDA錯体を経由する一電子移動 (EDA-SET)とHATを組み合わせた光反応系を見出すことに成功した。すなわち、各種アルカンおよび電子不足芳香環に対し、フェノール-アリールハライド錯体の存在下可視光を照射することで、炭素-炭素結合形成が進行した生成物が得られることを見出した。また、種々の実験的手法によって、フェノール-アリールハライドのEDA錯体が、ハロゲン結合を介して形成していることを確認した。
一方で、フェノールの代わりにベンゼンチオールを用いた時に、EDA-SETにより生じたチイルラジカルとアルキルラジカルが反応したスルフィドが得られることを報告した (ACS Org. Inorg. Au 2021, 1, 23-28.)。すなわち、THFおよびベンゼンチオールに対し、アリールハライドとしてp-ブロモアセトフェノンを用い、炭酸セシウムの存在下450 nmの可視光を照射することによって、THFとチオールがカップリングしたスルフィドが得られることを見出した。本反応は、シクロヘキサンなどの単純アルカンとも反応することがわかっている。
これらの反応のようなEDA-SETとHATを組み合わせた光反応系はこれまでに報告がなく、様々な反応系への応用が期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記に示したように、フェノール触媒とアリールハライドのEDA錯体から生じるアリールラジカルを利用することによって、EDA錯体を経由する一電子移動 (EDA-SET)とHATを組み合わせた光反応系を見出し、炭素-炭素結合形成反応へと利用することに成功した。本実験結果は現在論文作成中である。
また、ベンゼンチオールを用いた炭素-硫黄結合反応を見出すことに成功した。本研究結果は、学術論文として報告している (ACS Org. Inorg. Au 2021, 1, 23-28.)。
以上のように、当初の目的であった、フェノールを水素原子移動触媒として用いることは、フェノキシラジカルの安定性の高さから困難であったが、アリールハライドを共存させることによって、EDA-SETとHATを組み合わせた炭素-炭素結合反応へと利用することに成功し、さらにチオールを用いることによって、炭素-硫黄結合形成反応へと展開することにも成功した。

Strategy for Future Research Activity

フェノール触媒とアリールハライドのEDA錯体を経由する炭素-炭素結合形成反応を見出すことにはすでに成功しており、反応機構解析および化合物データの収集を行った後に学術論文に投稿する予定である。
本結果およびすでに論文投稿済みの炭素-硫黄結合形成反応については学会発表も予定している。
さらに、今回見出したEDA-SETとHATを組み合わせた光反応系のさらなる展開として、炭素-窒素結合形成反応や、炭素-リン結合形成反応の検討を行う予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスによる2020年度の外出自粛期間および、2021年度も感染や濃厚接触による出席停止期間の影響で期間内に研究を完結させることができなかった。
本年度に研究できなかった期間分を補うことによって、論文を投稿し学会発表を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Visible-Light-Driven C-S Bond Formation Based on Electron Donor-Acceptor Excitation and Hydrogen Atom Transfer Combined System2021

    • Author(s)
      Tatsuhiro Uchikura, Yurina Hara, Kazushi Tsubono, Takahiko Akiyama
    • Journal Title

      ACS Organic & Inorganic Au

      Volume: 1 Pages: 23-28

    • DOI

      10.1021/acsorginorgau.1c00007

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 一電子移動/水素原子移動を用いたフェノール触媒による可視光駆動型炭素ー炭素結合形成反応システムの開発2022

    • Author(s)
      坪野知史、内倉達裕、秋山隆彦
    • Organizer
      日本化学会 第102春季年会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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