2021 Fiscal Year Annual Research Report
Electrical characterization of renal proximal tubule epithelial cell on-a-chip for a nephrotoxic drug screening technology
Project/Area Number |
20K15311
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 遼平 京都大学, 工学研究科, 特定研究員 (80842195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経上皮電気抵抗 / タイトジャンクション / 腎毒性薬剤スクリーニング / Organ-on-a-chip |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に開発した経上皮電気抵抗(Trans-epithelial electrical resistance; TEER)をマイクロ流体デバイス内で測定可能なシステムを用いて、不死化したRenal proximal tubule epithelial cell (RPTEC)に対する腎毒性薬剤スクリーニング試験を実施した。 腎毒性薬剤スクリーニングに関しては昨年度から実施したシスプラチンとオキサリプラチンに加えてゲンタマイシンとシクロスポリンAを追加して試験した。 シスプラチンとゲンタマイシンを投与した場合にはTEER値の減少が測定されたが、オキサリプラチンとシクロスポリンAでは再現性が得られなかった。前者の薬剤は親水性であるのに対して後者の薬剤は比較的疎水性であるため、マイクロ流体デバイスに使用したシリコーンゴムに吸着しやすく、細胞毒性を十分に発現できなかったと考えられた。 昨年度の課題として挙げていた、上皮組織の静電容量を利用した立体構造のモニタリングはやはり実現できていない。しかしインピーダンス測定から静電容量を計算する手法を改善したことでRPTECモノレイヤーの静電容量を安定して測定することに成功した。また薬剤性細胞障害によってモノレイヤー中に空隙が発生すると静電容量値の計算結果が跳ね上がることから、新しい組織障害マーカーとして静電容量が利用できることが示唆された。今後もTEERのモニタリングと共に静電容量に関するデータを蓄積して薬剤評価に役立てたいと考える。腎毒性薬剤スクリーニングに関しては薬剤の種類を増やしただけではなく、シスプラチンの濃度依存的細胞毒性や投与方向依存的細胞毒性の測定にも成功した。またシスプラチンを途中で除去することで組織が回復する過程もTEERモニタリングから測定できており、シスプラチン投与濃度や期間の最適化に本システムが有用であることがわかった。
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