2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K15335
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平尾 岳大 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20825343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超分子ポリマー / ポルフィリン / 超分子重合 / 自己集合 / 刺激応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の所属する研究室ではこれまでに,ビスポルフィリンクレフト(bisPor)とトリニトロフルオレノン(TNF)のホストゲスト錯形成を駆動力に,bisPor部位(head)とTNF部位(head)を連結したhead-to-tail型モノマー分子が,固体状態および溶液中双方において超分子ポリマーを形成することを見出した。このモノマー分子は,電子豊富なbisPor部位と電子不足なTNF部位が電荷移動相互作用によりホストゲスト錯体を形成し,超分子ポリマーを形成する。したがって,電子豊富なbisPorを酸化もしくは電子不足なTNF部位を還元することで,bisPor部位とTNF部位のホストゲスト錯体形成が阻害され,「集合状態」と「解離状態」を自在に制御可能な酸化還元応答性超分子ポリマーを構築できると考えた。 モノマー分子を溶媒に溶解させ,DOSY測定から拡散係数を見積もったところ,濃度を濃くするに従って拡散係数の減少が見られたことから,溶液中において超分子ポリマーの形成が示唆された。この超分子ポリマーの溶液に,酸化剤もしくは還元剤を添加すると,拡散係数が増加していく様子が観測された。この結果は,bisPorが酸化もしくはTNF部位が還元されたことにより,分子間会合が阻害され,超分子ポリマーが分解したことを示唆している。またモノマー分子のみを溶解させた溶液と,モノマー分子と酸化剤もしくは還元剤の混合溶液を基板上にキャストし,AFM測定を行ったところ,前者の基板上には長く繋がった繊維状の組織(約100 nm)が観測されたのに対し,後者の基板上には断片的な繊維状の組織(約20 nm)が観測された。これらの結果から,酸化と還元,双方の外部刺激に応答して,重合度の制御可能なポルフィリンポリマーの構築に成功した。
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Research Products
(29 results)