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2020 Fiscal Year Research-status Report

温度応答性非天然オリゴアミノ糖の合成と機能発現制御

Research Project

Project/Area Number 20K15336
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

甲田 優太  筑波大学, 数理物質系, 助教 (90759325)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords糖鎖化学 / イオン重合 / 開環重合 / アミノ多糖 / 多糖材料 / 生体材料
Outline of Annual Research Achievements

初年度に当たる令和2年度は、非天然アミノ多糖を合成するための新しいモノマー合成の検討を行った。また、バイオ応用に向けて、細胞毒性評価と生体毒性評価に向けた新しい技術習得を行った。
(1)新しいオキサゾリン型単糖モノマーの合成 前研究課題では、オキサゾリンと単糖が1位と2位で連結した単糖モノマーを合成した。tBuIと塩化ガリウムを組み合わせた開始剤系を用いて、ジクロロエタン中40度でオキサゾリン環のみを選択的に開環し、非天然オリゴアミノ糖を合成することに成功した。この重合は、オキサゾリン環を有するモノマーにも関わらず、一般的なオキサゾリンの重合系とは異なり、ビニルエーテル中間体を経て反応が進行する新しい重合系であることを明らかにした。この非天然オリゴアミノ糖は、主鎖がポリオキサゾリンで構成されており、ポリオキサゾリン特有の機能を付与することが期待できる。そこで、本成果を論文として発表後、人工的な機能を付与するために新しいモノマー合成の検討を開始していた。そこで本研究課題の検討を開始後、引き続き新しい単糖モノマーの合成検討を行った。
(2)細胞毒性評価 自身が開発した非天然オリゴアミノ糖を生体材料へと展開していくために、前研究課題で合成した非天然アミノ糖鎖の毒性評価を行った。
(3)生体毒性評価に向けた予備検討 実際に生体の中で材料を機能させるためには、まず生体毒性を評価する必要がある。そこで、生体毒性評価に必要な実験技術の習得を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本課題の目的は、自身が開発した非天然オリゴアミノ糖鎖にポリオキサゾリン由来の機能を付与することである。しかし、令和2年度はCOVID-19の深刻な状況のために、研究計画が大幅に遅れてしまうことになった。さらに、研究課題の採択が決定する直前、所属研究機関を異動することが重なり、当初の計画が大きく遅延してしまった。
実験開始後、まず生体材料として応用可能かどうかを調べるために、生体毒性評価に必要な実験技術の習得を行った。異動先のプロジェクトで合成したポリマーを用いて、生体毒性評価などの練習実験を行った。血球評価(白血球、赤血球、血小板)や生化学検査(ALT, AST, BUN, CRE)により毒性評価を行うのに必要な技術を習得した。
次に、前研究課題で合成した非天然オリゴアミノ糖の細胞毒性評価を行った。96穴ウェルの各ウェルに5000個の細胞を播種し、24時間前培養した。その後、培地をポリマーを溶かした培地に交換し、さらに24時間培養を行った([polymer] = 0.01, 0.1, 1.0, 10 mg/mL in DMEM)。その後、WSTアッセイを用いて吸光度測定により毒性評価を行った(反応時間 = 2 h, 37 oC)。その結果、ポリマーの濃度依存性は見られず、いずれの濃度においても細胞は高い生存率を保っており、自身が開発した非天然オリゴアミノ糖は、細胞毒性が低いことを明らかにした。
最後に、新しい単糖モノマーの合成検討を開始した。まだ、新規モノマーの単離には至っていないが、引き続き2021年度も検討を続けていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

上述の通り、2020年度はCOVID-19の影響が避けられず、研究計画が大幅に遅れてしまった。しかし、研究計画当初は想定していなかった新しい技術を習得することもできた。2021年度は、計画の遅れを取り戻すために、引き続き新しい単糖モノマーの合成検討を行っていく予定である。

Causes of Carryover

研究に必要なものを購入した結果、端数が生じた。2021年度に必要な物品購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 非天然オリゴアミノ糖の合成に向けたオキサゾリン型双環糖モノマーの設計2020

    • Author(s)
      甲田優太
    • Organizer
      日本化学会第100回春季年会
  • [Presentation] オキサゾリンハイブリッド型非天然オリゴアミノ糖の合成と機能評価2020

    • Author(s)
      甲田優太
    • Organizer
      第69回高分子学会年次大会
  • [Presentation] カチオン重合によるオリゴアミノ糖鎖の合成:開始剤系の設計と生分解性評価2020

    • Author(s)
      甲田優太
    • Organizer
      第39回日本糖質学会年会
  • [Presentation] Design and Toxicity Study of Unnatural Oligoaminosaccharides Prepared by Cationic Ring-Opening Polymerization2020

    • Author(s)
      Yuta Koda
    • Organizer
      3rd G’L’owing Polymer Symposium in KANTO (GPS-K 2020)

URL: 

Published: 2023-12-25  

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