2021 Fiscal Year Annual Research Report
サーモトロピックな高密度グラフト高分子を用いた配向網目ハイドロゲルの創製
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20K15341
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小野田 実真 名古屋大学, 工学研究科, 学振特別研究員(CPD) (00801119)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高分子ゲル / 高分子エラストマー / ボトルブラシポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ボトルブラシポリマーと呼ばれる高密度グラフト高分子を用い、配向網目を有する新規な高分子ゲル・ソフトマテリアルの創製を目指している。しかし、ボトルブラシポリマー自体の材料学的新規性により、本研究には大きく次の課題がある。1.合成手法の確立、2.配向手法の確立、3.配向物性評価手法の確立。まずは合成手法の確立とハイドロゲルの基本物性に関する知見を得ることを目的に研究を展開した。 その結果、「ゲル化速度が通常の系の100倍、力学強度が15倍」という性質を有するボトルブラシポリマーゲルの創製に成功し、水溶液中でほとんど膨潤しないという特異な性質を付与することにも成功した(Adv. Sci., 2021, 8, 16, 2100968)。更に、力学強度に優れた性質を有すること(Chem. Mater. 2021, 33, 25, 5748.)やネットワークの迅速な組み換えが起こること(Soft Matter, 2022, 18, 3644.)を確認した。一連の結果はボトルブラシポリマーのネットワーク材料としての有用性を強く示すものであり、今後の展開が期待される。
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