2020 Fiscal Year Research-status Report
Chemical State Visualization of Battery Materials by Operando X-ray Spectro-Ptychography
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20K15375
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 志 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 助教 (20752455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | X線タイコグラフィ / X線吸収微細構造 / 蓄電材料粒子 / オペランド計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、充放電過程でのリチウム蓄電池正極活物質粒子内及び粒子間界面付近の化学状態分布を10 nmオーダーの空間分解能を持つオペランド・タイコグラフィXAFS計測によって可視化し、粒子内・粒子界面でのイオン輸送・拡散現象に関する未知なる構造-機能相関性を抽出することを目指す。 2020年度はターゲット材料系として、スピネル型マンガン-ニッケル酸リチウム(LNMO)粒子内部のMn K端及びNi K端でのex-situ環境下タイコグラフィXAFS計測を行い、粒子内のMn・Niの化学状態分布の検討を行った。その結果、SiN薄膜メンブレン上に分散担持した2-3 μmのLNMO粒子について、全エネルギー領域において80 nm以下の空間分解能を有する空間分解XAFSスペクトル及び位相スペクトルの取得に成功した。また、各ピクセルのXAFSスペクトルのカーブフィッティング解析により、Mn・Ni元素密度,Mn・Ni価数, Li・O元素密度情報を含む全電子密度等といった化学状態パラメータの空間分布を抽出することにも成功した。また、抽出した各パラメータ間の相関性を,データマイニング手法を用いて複数のグループに分類し、その結果合成したLNMO内のMn・Ni組成・化学状態の不均一性を示唆する分布を捉える事に成功した。 また,タイコグラフィXAFSの充放電オペランド計測に向けた予備実験を行い、計測用薄膜メンブレン上LNMO粒子単位での充放電操を実施可能なセル仕様・計測試料の調製条件および電気化学操作条件を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では、LNMO粒子のex-situ環境下でのタイコグラフィXAFS計測・解析からの化学状態可視化までを達成しているが、電池性能との関連を示唆するMn・Ni化学状態分布を捉える事に成功し、その成果を論文投稿準備中である。オペランド計測に向けたセル・試料条件もおおよそ確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度までの成果をもとに、2021年度は充放電条件下でのLNMO粒子のMn-K端・Ni-K端タイコグラフィXAFSのオペランド計測を実施し、充放電でのLi挿入・脱離とそれに伴うMn・Ni化学状態変化の可視化と、粒子内の構造不均一性と充放電性能との相関性を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(13 results)