2021 Fiscal Year Research-status Report
結晶組成と方位を制御した高リチウムイオン伝導性酸化物単結晶の創製
Project/Area Number |
20K15377
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
丸山 祐樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10782469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リチウムイオン伝導体 / バルク単結晶育成 / TSFZ法 / イオン伝導異方性 / チタン酸ランタンリチウム / ニオブ酸ランタンリチウム / タンタル酸ランタンリチウム |
Outline of Annual Research Achievements |
層状構造を有するダブルペロブスカイト型酸化物の単結晶を、溶媒移動浮遊帯域溶融法により育成し、組成制御による結晶中Li組成とイオン伝導度との相関を明らかにすることにより、層面内の高いイオン伝導経路を有するリチウムイオン伝導体酸化物単結晶を開発することを目的としている。 今年度は、チタン酸ランタンリチウム(La2/3-xLi3xTiO3:LLT)のバルク単結晶育成について結晶中 Li 濃度を制御するために原料組成を検討した。その結果、原料中の Li 濃度を増加させることで育成結晶中の Li 濃度を増加させることに成功した。しかし、x = 0.167 の組成の原料を用いて結晶育成した場合、育成結晶中に Li2TiO3 異相の析出が確認された。そこで再び溶媒組成を検討した結果、溶媒組成を x = 0.167から5mol% La2Ti2O7不足にした組成にすることでLi2TiO3 異相の析出を抑制できることが示唆された。Seed育成により[100]方位および[001]方位のLLT単結晶を育成することに成功し、そのイオン伝導異方性は、σ[100]/σ[001] = 2.0-2.5であることが明らかとなった。 また、昨年度、新規に発見した LixLa(1-x)/3Nb0.8Ta0.2O3リチウムイオン伝導体について、Li 濃度がイオン伝導度に与える影響を調査した。Li 濃度の増加に伴い、結晶構造は直方晶から正方晶、そして立方晶へ変化した。またLi 濃度の増加に伴いイオン伝導度は、減少し、x=0.1のときイオン伝導度は最大で 7.78×10-5S/cmの値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原料組成を最適化し、LLT単結晶中のリチウム濃度に対するイオン伝導度の関係が明らかとなった。また、Seed 育成によりサブグレインのない[100]方位および[001]方位のLLT単結晶を育成することに成功し、イオン伝導異方性を明らかにした。しかし、育成結晶の大型化について育成条件を検討できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
TSFZ法によるLLT単結晶の大型化の育成条件を引き続き検討し、LLT単結晶の大口径化を図る。特に、育成結晶径の増加に伴う固液界面形状の変化や溶融帯の安定性への影響を明らかにすることで、LLT単結晶を大型化させる。
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Research Products
(3 results)