2022 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマメンブレンリアクターにおけるゼオライトによる水素精製促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K15378
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
早川 幸男 岐阜大学, 工学部, 助教 (40799946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水素 / アンモニア / 水素分離膜 / 大気圧プラズマ / パックドベッド放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は種々のゼオライトについて物性測定を行い、Si/Al比などの調査を行った。結果として、今回使用したゼオライトのSi/Al比は2~40、比表面積は290~530であることが分かった。これらの結果と水素分離性能の相関性を検討すると、Si/Al比と水素分離能の間にわずかに相関関係があることが分かった。特筆すべきはSi/Al比が最も低いサンプル(Si/Al比=2.2)をプラズマメンブレンリアクター(PMR)内に充填した際に最も高い水素分離能を示したことである。今回使用したゼオライトサンプルは一般的にゼオライトのイオン交換容量はゼオライトの単位格子内に含有されるAl原子数に比例することが報告されている。今回使用したゼオライトは結晶格子内にイオンはH原子であり、Si/Al比の小さいサンプルほどそのH原子内包容量が大きくなる。そのため、Si/Al比が小さいサンプルほどPMRによる放電水素分離を行った際にゼオライト表面でプロトン輸送現象が起こり、分離膜近傍のプロトン濃度が高くなったことで水素分離性能が高くなったと推測される。 本研究全体を通じて、PMRを用いた水素分離においてゼオライトが果たす役割は以下の2点であることが推測された。 1)PMR内部に充填したゼオライト表面における微小放電の発生に起因して、投入エネルギーが増加することでプラズマ点灯状態が安定化する。 2)ゼオライトの触媒効果により放電分解性能が向上することを確認した。 3)Si/Al比の異なるゼオライトの水素分離性能を比較した結果、Si/Al比の低いゼオライトほど水素分離性能が高くなる結果を得た。これはゼオライトが内包するH原子により、ゼオライト表面でプロトンリレー現象が起こり、水素分離膜近傍のプロトン濃度が高くなったことに起因すると考えている。
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Research Products
(3 results)