2020 Fiscal Year Research-status Report
Search for bioactive compounds from unutilized microbes of marine sponge
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20K15409
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
町田 光史 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (30778163)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天然物化学 / 微生物資源 / 生物活性物質 / 海洋無脊椎動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、海綿から様々な天然化合物が報告されてきた。最近の研究によって、このような二次代謝産物の多くは生体内に共生する微生物が生産していることが示唆されている。しかしながら、環境微生物の99%以上は難培養性といわれており、これらの微生物は未利用のままである。本研究では、海綿内に共在する難培養性微生物を特殊な培養デバイスを用いて培養し、そこから新規天然化合物を精製し、その化合物の構造や生物活性を明らかにすることを目的とする。これまで未利用であった大部分の海綿内共在微生物から生物活性物質を探すことは、新たな化学骨格を有する天然化合物の発見につながり、将来的には画期的な医農薬の開発につながる可能性がある。 令和2年度:10月に高知県にて微生物の培養に用いる海綿の採集を行った。飼育施設で海綿の状態が安定しているのを確認した後、diffusion chamberを海綿に設置し、微生物の一次培養を行った。一次培養したサンプルについて、寒天培地を用いた二次培養を行い分離培養を行った。 今後は、これら分離株についての培養上清から化合物を抽出し、微生物抽出物ライブラリーを構築していく。得られた抽出物ライブラリーについて、ヒストン修飾変化活性や細胞毒性などの生物活性を評価し、それらを指標として生物活性物質の精製を行い、単離された化合物については質量分析装置およびNMRを用いて構造解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度では、予想外のコロナパンデミックにより思うように研究用サンプルの採集に行くことができず、研究の始動が遅れてしまった。さらに、研究室が火災にあうなど研究環境を一から構築しなければならず、研究室が再始動するために時間が割かれている状況にあるため研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、一日でも早い研究室の再始動を目指し、研究環境を整えていく。 研究環境が整い次第、海綿から単離した分離株の培養上清から抽出物ライブラリーを構築し、随時ヒストン修飾変化などの生物活性評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナパンデミックにより思うように動けなかったため、当該年度分の予算を使いきれず次年度使用額が発生した。当該年度で使いきれなかった分に関しては、微生物の培養および静物活性評価実験において使用していく予定である。
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Research Products
(1 results)