2020 Fiscal Year Annual Research Report
グアニン四重鎖テンプレート合成による機能性リガンドの開発
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20K15411
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
馬 悦 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (80845412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グアニン四重鎖 / テンプレート合成 / ポリオキサゾール化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
グアニン四重鎖(G4)は、グアニン残基が豊富な一本鎖配列で形成される核酸高次構造である。近年、生体内にてG4が形成されることにより、様々な疾患や生命現象が制御されることが報告されている。これら疾患や生命現象に関わる特定のG4(機能性G4)を配列選択的に認識し安定化することができれば、対応する機能性G4由来の生命現象に「どのような」影響を与えるか、解明することが可能である。従って、機能性G4を認識可能な低分子化合物(G4リガンド)は、当該G4を標的としたバイオプローブや薬剤リードとして期待されている。本研究では、これまで申請者が行ってきたG4リガンドの創製研究を基盤として、機能性G4をそれぞれ配列選択的に認識するG4リガンドの開発、およびこの開発した機能性G4リガンドを用いて、標的とする機能性G4由来の生命現象に与える影響(遺伝子の発現状態)を明らかにすることを目的とし、研究に着手した。 本年度は、機能性G4リガンドを効率的に取得するため、機能性G4を鋳型としたテンプレート合成によるリガンドの合成を検討した。G4のG-quartet平面と相互作用するOTDに対してアジド基を導入したOTD-N3を合成するために、導入するアジド基の位置やリンカーの長さを検討した。その結果、G4存在下において、最適化されたOTD-N3とアルキンを持つ既知の蛍光基と反応させたところ、効率良くHuisgen環化反応が進行し、トリアゾール体を形成することを種々実験により確認した。 一方、G4のGrooveと相互作用する分子を探索したところ、OTDの部分骨格がGrooveと相互作用する可能性が示唆された。これとG-quartet平面と相互作用する骨格とを連結させたところ、特定のG4を選択的に構造変化させるリガンドを得ることができた。
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Research Products
(5 results)