2022 Fiscal Year Annual Research Report
Deciphering the molecular mechanisms involved in growth and yield in Rice plants exposed to Volatile Compounds (VCs)
Project/Area Number |
20K15425
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオスティミュラント / 持続可能な農 / ミクロビオーム / 微生物の生物活性化合 / 分子生物学 / 代謝工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物は多様な揮発性化合物(mVCs)を合成し、植物と微生物の有益な相互作用の重要なメディエーターとして機能している。これまでの研究から、mVCsが微生物自身の成長を調整しつつ、植物の生理学的およびホルモン経路を調節して、光合成と糖の蓄積を促進し、根の体積、葉の大きさ、葉と花の数を増やし、果実や種子の生産量を増加させることができることを明らかにした。これらの知見から、mVCは植物生産システムにおける重要なバイオテクノロジー資源と位置付けられる。本研究では、(1) 麹菌Aspergillus oryzae が放出する揮発性有機化合物のブレンド、または異なる濃度の合成化合物を個々に曝露したシロイヌナズナとイネの成長および発達に及ぼすmVCsの影響、および (2) mVCs による植物成長促進のメカニズムについて生理・分子的手法を用いて研究した。その結果、A. oryzae による植物生長促進機構に mVCs が関与している可能性を確認した。また、有意な植物成長促進作用を示す8つの単一揮発性物質を同定し、その作用は揮発性物質の濃度依存的であった。マイクロアレイ解析の結果、これらの揮発性物質がオーキシン、サイトカイニン、エキスパンシンが関与する植物ホルモンシグナルを調節することが明らかとなった。これらの結果は、A. oryzae由来のmVCsが植物の成長を調節する原動力となり、新しいバイオ刺激剤として、また化学肥料に代わる持続可能な代替物として、農園芸作物にうまく利用できることを示している。 本年度は、新潟大学農学部特任助教として在職し、研究課題を実施できたのは4月から6月までの3ヶ月間のみであり、進展させることはできなかったが、学術論文などの執筆を行い、発表した。
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Research Products
(6 results)