2020 Fiscal Year Research-status Report
好気性微生物を用いたハイスループット解析によるアーキア工学ツールの作製
Project/Area Number |
20K15442
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古林 真衣子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90849895)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハロアーキア / 好熱性細菌 / カロテノイド / 合成生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アーキアが細菌・真核生物に並んで生命の第3のドメインだと発見されてから40年余、生命起源への進化的興味から多様な生物機能の工学応用まで、アーキアを対象とした研究はますます注目を浴びている。しかしアーキアの生物工学ツールの開発は他の生物と比較して遅れているとも言える:真核生物と細菌は、合成生物学や蛋白質工学技術が急速に進んでいるのに対し、アーキアで使える合成生物学ツールは報告が少ないのが現状である。本研究では、好気性ハロアーキアおよび好気性好熱性細菌を利用して、アーキアで広く使えうる合成生物学ツールをハイスループットに作製・整備することを目指す。本研究で着目するHalobacterium, Thermus は共にカロテノイドを生合成して環境耐性を獲得しているが、これらの生物がもともと持っているカロテノイド経路遺伝子を応用することにより工学ツールの開発を目指す。 本年度は、計画の通り、37℃・好気性で増殖するというアーキアの中でも培養が簡便であるハロアーキア Halobacterium を用いて生育条件を検討した。水分の蒸発と酸素濃度に気をつけながら湿度や密閉度などをスクリーニングしてマルチウェルプレートで培養することによりロバストな条件を探索した。さらに、単一コロニーを比較的早く形成するような固体培養条件の検討も行った。また、ハロアーキア用プラスミドベクターのデザインも行った;ここではSEVAベクターというスタンダードにあうような配列デザインを行った。更に、好熱性細菌 Thermus を用いて、この生物がもともともつカロテノイド経路を利用することによりパーツ整備に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度目の目標である Halobacterium のハイスループット培養条件の検討、およびプラスミドベクターの建設を行った。更に Thermus のカロテノイド経路をもちいたツール開発も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ハロアーキアでは建設したプラスミドベクターを用いて多様な発現制御パーツを評価する予定である。また、Thermusを用いて各種の耐熱性遺伝子発現制御パーツ・レギュレータ・カロテノイド生合成酵素遺伝子などの機能を評価する。
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Causes of Carryover |
在宅勤務が増えて実験時間が減少し、購入する実験消耗品も減少したため、繰越が生じた。
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