2020 Fiscal Year Research-status Report
Prevention study of hen's Egg Allergy with Low-allergenisity Egg powder
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20K15475
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岡本 薫 藤田医科大学, 医学部, 助教 (60866870)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食物アレルギー発症予防 / 鶏卵アレルギー / 早期離乳開始 / スキンケア / 小児アトピー性皮膚炎 / IgG4 / IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は対象患者の収集を行うとともに、現時点で収集できている患者データの解析を行った。当初の計画では各採血時点での血清IgG4値の測定をThermo Fisher Diagnostic株式会社に依頼し比較検討する予定であったが、コロナ禍に伴い当該測定事業が一時停止されており、一部の対象患者に関してIgG4値の評価ができていない。そこで現時点で判明している検査値の比較検討結果のみを以下に示す。 1.今年度はコロナ禍で患者収集が想定以上に難航したこともあり現時点での研究参加者は15名にとどまった。このうち、生後12か月時点での加熱鶏卵経口負荷試験まで終了した患者が12名で、加熱全卵(Heated Egg:HE)群、脱オボムコイド(Ovomucoid Reduced egg: OR)群ともに6名ずつに無作為に分類された。両群のエントリー時のCharacteristicに有意な差は認めなかった。 2.主要評価項目である鶏卵アレルギー発症者数はHE群で1名、OR群で2名であり有意差を認めなかった。但し、非劣勢を証明するために必要な症例数は満たしておらず今後も引き続き症例収集が必要である。 3.副次評価項目として卵白・オボムコイド特異的IgEと、オボアルブミン・オボムコイド特異的IgG4の推移を比較検討した。特異的IgE値は12名、特異的IgG4値は測定できた8名(HE群5名、OR群3名)に関して評価したが、いずれも群間で明らかな差は認めなかった。 以上の結果から、現時点で低アレルゲン化鶏卵粉末による鶏卵アレルギー発症予防効果は加熱全卵粉末に劣らなかったが、非劣勢の確認のためには今後さらに症例数を増やした解析が必要である。 なお、今年度の補助金は、データの解析およびデータ保存に使用するための電子機器の購入と解析ソフト(GraphPad社 Prism9)の購入費用などに充てられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象症例に関して、現在4つの医療機関で参加者の募集を行っているが、コロナ禍の影響もあり参加希望者が想定以上に少なく現時点で目標症例数の10分の1に至っていない。 また、血清中のオボムコイドおよびオボアルブミン特異的IgG4値の測定委託業務を行っているThermo Fisher Diagnostic株式会社がコロナ禍に伴い、一時的に当該測定事業を中止しているため、現時点で収集できている症例の実施前(生後6か月)、実施中(生後9か月)、実施後(生後12か月)の血清中特異的IgG4値の比較ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
食物アレルギー発症予防効果に関して、低アレルゲン化鶏卵粉末の、加熱全卵粉末に対する非劣勢を証明するための症例数が不足しており、さらに積極的な患者収集体制の構築が望まれる。現時点で、本研究の適応症例の紹介を地域のクリニックに依頼するとともに、研究協力機関に改めて患者収集の協力を仰ぐ方針である。 血中の特異的IgG4測定に関しては、企業から再開の連絡が来次第依頼する予定である。今年度末までに再開の見通しが立たない場合は、測定に必要な試薬を購入して研究協力機関(藤田医科大学ばんたね病院)の臨床検査部に特異的IgG4値の測定を依頼することも考えている。 少なくとも両群とも30名以上の症例が集まり、その統計学的解析が終わり次第、本研究成果は日本アレルギー学会、小児アレルギー学会などの専門学会にて報告の予定である。
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Causes of Carryover |
血清中IgG4測定の委託業務を行っているThermo Fisher Diagnostics株式会社がコロナ禍に伴い、一時的に当該委託業務を中止しているため、一部の症例に関して実施前(生後6か月)、中間値(生後9か月)、実施後(生後12か月)の3時点の血清IgG4値の測定ができなかったため、測定に使用する予定であった費用(1検体あたり5000円)が消費できず、次年度使用額が発生した。また、2020年度はコロナ禍で参加を予定していた全ての学会が中止ないしWeb開催になったため学会出張に伴う旅費が発生しなかったのも繰越金が発生した理由の一つである。 2021年度は、当該企業から再開の連絡が来次第依頼し消費する予定であるが、今年度末までに再開の見通しが立たない場合は、測定に必要な試薬を購入して研究協力機関(藤田医科大学ばんたね病院)の臨床検査部に特異的IgG4値の測定を依頼することも考えている。
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