2022 Fiscal Year Research-status Report
多価不飽和脂肪酸の特異的作用ドメインの解明および関連分子の探索
Project/Area Number |
20K15479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
升田 紫 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50768554)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈硬化性疾患 / 脂質代謝異常 / 転写因子SREBP / 多価不飽和脂肪酸 / 「健康寿命」延長 |
Outline of Annual Research Achievements |
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は肝臓での中性脂肪合成を抑制する脂質異常症治療薬であり、機序の全容は未解明である。PUFAは脂質代謝で重要な転写因子SREBP(sterol regulatory element-binding protein)の転写活性に影響を及ぼすが、SREBPに対する機序も未解明である。SREBPには、よく似たSREBP-1とSREBP-2が存在する。SCAP(SREBP cleavage-activating protein)を介した共通の調節機構が知られる一方、前者は脂肪酸代謝、後者はコレステロール代謝と役割が異なる。我々は先行研究で、生きたマウス肝臓でのSREBP切断活性をin vivo imaging system(IVIS)で評価するアッセイ系を構築し、PUFAがSREBP-1切断活性を特異的に抑制する事を解明した。本研究は、脂質代謝が関与する様々な病態の解明・治療薬の開発に繋げることを目的とし、SREBP-1上のPUFA特異的作用ドメインを同定し、関連する未知の相互作用分子を探索する。SREBP-1独自の調節機構解明が本研究の核心であり、SREBP-1とSREBP-2の差異が解明出来れば、SREBPをターゲットとする分子標的薬の開発にも道が開かれ、動脈硬化性疾患を超えた他疾患の治療にも繋がる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、1. 肝臓におけるSREBP-1特異的なPUFA作用ドメインの絞り込みと同定、2. SREBP-1上のPUFA作用ドメインで相互作用する分子の探索を立案した。前年 度に引き続き、今年度もSREBP配列を自作改変した複数のコンストラクトを用いて性質を評価している。生体(実験動物)を用いた系にも着手し、継続の必要性があると判断するに足る結果を得たため、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
SREBP-1には存在し、SREBP-2には存在しないドメインを同定し、SREBP-1特異的な結合蛋白の網羅的探索を行い、機能解析に持ち込む予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験の展開に伴い、実験継続の必要性が生じたため、延長を申請し、受理された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] New balance capability index as a screening tool for mild cognitive impairment.2023
Author(s)
Suzuki Y, Tsubaki T, Nakaya K, Kondo G, Takeuchi Y, Aita Y, Murayama Y, Shikama A, Masuda Y, Suzuki H, Kawakami Y, Shimano H, Arai T, Hada Y, Yahagi N.
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Journal Title
BMC Geriatr
Volume: 23:74
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] FoxO-KLF15経路を介したインスリンによる三大栄養素制御メカニズムの解明2022
Author(s)
武内 謙憲, 矢作 直也, 會田 雄一, MehrazadSaber Zahra, 何 敏煕, Karkoutly Samia, 陶 都罕, 方波見 京香, Chen Ye, 村山 友樹, 志鎌 明人, 升田 紫, 泉田 欣彦, 川上 康, 島野 仁
Organizer
第54回日本動脈硬化学会総会
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[Presentation] オンライン主体の総合的な教育・体験型プログラムによる、2型糖尿病コントロール改善への寄与及び行動変容促進効果の検証2022
Author(s)
山崎 大地, 古奥 奈保子, 武田 尊徳, 升田 紫, 鈴木 浩明, 岩崎 仁, 関谷 元博, 大崎 芳典, 菅野 洋子, 志鎌 明人, 村山 友樹, 栢森 藍佳, 菅井 若葉, 加藤 正明, 木村 正, 小間井 俊輔, 徳渕 慎一郎, 矢作 直也, 島野 仁
Organizer
第65回日本糖尿病学会年次学術集会
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[Presentation] 脂質合成転写因子SREBP-1が多価不飽和脂肪酸を感受する機構の解明2022
Author(s)
升田 紫, 矢作 直也, 武内 謙憲, 和田 亘弘, 呼延 宜人, Mehrazad Saber Zahra, 沢田 義一, 村山 友樹, 會田 雄一, 西 真貴子[辰巳], 泉田 欣彦, 位高 啓史, 片岡 一則, 島野 仁, 門脇 孝, 山内 敏正
Organizer
第65回日本糖尿病学会年次学術集会
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[Presentation] KLF15経路を介したインスリンによる三大栄養素制御メカニズムの解明2022
Author(s)
武内謙憲, 矢作直也, 會田雄一, Mehrazad Saber Zahra, Karkoutly Samia, 陶都罕, 方波見京香,葉探,平井花音, 村山友樹, 志鎌明人, 升田紫, 泉田欣彦, 川上康, 島野仁
Organizer
第45回日本分子生物学会年会
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[Presentation] causal SNV探索を通じたApoAI遺伝子の新たな発現調節機構の解明2022
Author(s)
會田雄一, 矢作直也, 武内謙憲, 方波見京香, 平井花音, 葉探, 陶都罕, Samia Karkoutly, Mehrazad Saber Zahra, 村山友樹, 志鎌明人, 升田紫, 泉田欣彦, 松坂賢, 川上康, 島野仁
Organizer
第45回日本分子生物学会年会
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[Presentation] High protein diet-induced metabolic changes are transcriptionally regulated via KLF15-dependent and independent pathways.2022
Author(s)
Mehrazad-Saber Z, Takeuchi Y, Aita Y, Masuda Y, Hirai K, Katabami K, Ye C, Tao D, Karkoutly S, Murayama Y, Shikama A, Izumida Y, Matsuzaka T, Kawakami Y, Shimano H, Yahagi N
Organizer
第45回日本分子生物学会年会
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[Presentation] TFEL SNP scanによるTCF7L2遺伝子内のSNP関連エンハンサーの同定2022
Author(s)
方波見京香, 朴賢英, 武内謙憲, 會田雄一, 平井花音, 葉探, 陶都罕, Samia Karkoutly, Mehrazad Saber Zahra, 村山友樹, 志鎌明人, 升田紫, 泉田欣彦, 松坂賢, 川上康, 島野仁, 矢作直也
Organizer
第45回日本分子生物学会年会
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