2020 Fiscal Year Research-status Report
腸細菌によるアレルギー免疫応答調節メカニズムの解明
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20K15480
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
荻田 佑 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (50738010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Flavonifractor plautii / 抗炎症作用 / 緑茶 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性食品としての緑茶に注目し、緑茶の摂取による腸菌叢に対する影響を、マウスを用いて調査したところ、ヒト腸内常在細菌でもある、カテキン代謝細菌Flavonifractor plautii(FP株)が、腸内で増加することを見出した。 次に、FP株をOVAで感作したアレルギーモデルマウスに経口投与すると、血中のOVA特異的IgE量が有意に低下することを発見し、腸管関連リンパ組織(MLN)のFP株の存在を確認したところFP株が検出された。 さらに、MLNの樹状細胞(DC)をFP株とともに24時間培養したところ、制御性T細胞(Treg)を誘導するCD103陽性DCが誘導された。さらに、ナイーブTh細胞とDCを共培養し、FP株を添加したところ、Treg割合が有意に増加した。以上の結果から、FP株はCD103陽性DCの増加を介して、Tregの分化を誘導することが示唆された。これらの結果は学術論文として発表した。 また、FP株が過剰な免疫応答を抑えることに着目して、生体調節機能の評価を行い、大腸炎モデルマウスの腸炎軽減効果や、食餌誘導性肥満マウスの脂肪組織炎症軽減効果についても明らかにし、学術論文として発表した。 申請者は、マウス腸炎モデルに対して、乳酸菌が、M細胞の存在する小腸パイエル板から取り込まれ、炎症が軽減されることを明らかにしている。すなわち、M細胞を介する有用細菌の取り込みは、宿主における炎症を制御できることを証明している。そこで今年度はM細胞に着目し、FP株の取り込み機構の解明に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
自身の疾病により研究遂行が難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
病状が回復に向かっているため、研究の前進に全力を尽くして参ります。
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Causes of Carryover |
昨年中旬から体調を崩し、計画通りの研究の遂行が困難であったため、次年度使用額が生じた。 昨年度実施できなかった課題を遂行するとともに、今年度の研究課題についても並行して遂行する。
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[Book] 乳酸菌の機能と産業利用2021
Author(s)
木下英樹, 井越敬司, 中島勇貴, 覚張孝大, 竹田志郎, 春日元気, 川井泰, 北澤春樹, 島津朋之, 重盛駿, 下里剛士, 荻田佑, 西山啓太, 萩達朗, 後藤弥生, 渡辺真通, 鈴木利雄, 浮辺健, 中川勇志, 本田洋之, 荒川千夏, 鈴木重德 , 竹下正彦, 小松靖彦 , 米島靖記 , 土橋英恵, 淵田元
Total Pages
205
Publisher
株式会社シーエムシー出版
ISBN
978-4-7813-1594-2
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[Book] 月刊BIOINDUSTRY 2020年5月号2020
Author(s)
木下英樹, 中島勇貴, 覚張孝大, 竹田志郎, 春日元気, 川井泰, 本田洋之, 荒川千夏, 鈴木重德, 重盛 駿, 下里剛士, 島津朋之, 荻田佑, 西山啓太, 橋本光紀
Total Pages
不明
Publisher
株式会社シーエムシー出版
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