2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸細菌によるアレルギー免疫応答調節メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K15480
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
荻田 佑 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (50738010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Flavonifractor Plautii / Enterococcaceae科 / Streptococcaceae科 / アレルギー免疫応答 / 腸細菌 / 腸間膜リンパ節 / アレルギーモデルマウス / カテキン |
Outline of Annual Research Achievements |
腸細菌Flavonifractor Plautii(FP)のアレルギー免疫応答抑制メカニズムについて研究を行った。FPはカテキンの代謝に関わる細菌であり、ヒト腸内にも確認されている。FP をはじめ、多くの腸細菌の生体調節機能はほとんど解明されていない。そこでFPの生体調節機能を調べるため、卵白アルブミン感作で作出したアレルギーモデルマウスにFPを経口投与すると、アレルギー応答が抑制されることを発見した。 また、腸間膜リンパ節(MLN)内に取り込まれる細菌がアレルギー免疫応答を抑制するという仮説を立て研究を続けていたところ、FPを投与したアレルギーモデルマウスのMLN内の細菌叢が大きく変化することを見出しており、特にFPの他に数種の細菌が増加していた。 最終年度にはアレルギー応答の抑制に関わる2種の腸細菌としてEnterococcaceae科細菌(Ent細菌)とStreptococcaceae科細菌(Str細菌)を見出し、培養にも成功した。Ent細菌についてはAverage Nucleotide Identity解析の結果、新規の株であることを見出した。また、Str細菌については16SrRNA遺伝子を解析したところ新種の細菌である可能性を見出した。 私は普段の食事により、アレルギー発症リスクを低下する腸細菌を腸内で維持することが重要であると考えているが、FPについてもいくつかの疾病に関連するとの報告があるため、適切な腸内存在率や身体に対する影響などをさらに研究する必要がある。
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