2022 Fiscal Year Annual Research Report
化学プローブを利用したプロアントシアニジンの高感度分析法に関する研究
Project/Area Number |
20K15483
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岩岡 裕二 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (10835416)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロアントシアニジン / プロアントシアニジン-タンパク質複合体 / アガロースゲル電気泳動 / Nitroblue tetrazolium染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
(+)-CatechinなどのFlavan 3-ol化合物が重合した構造を持つプロアントシアニジン(PAC)はそのイオン化効率の低さからHPLC-MSなどの機器分析における検出感度が極めて低いため、血中のPACの定量は困難であり、その体内動態は不明な点が多い。高分子のPACは腸内細菌の作用により代謝物として吸収されると考えられているが、未代謝のPAC自身が吸収されている事を証明する有効的な分析法がないことが喫緊の課題である。これまでにアガロースゲル電気泳動後のゲルをNitroblue tetrazolium (NBT)の塩基性溶液に浸漬することで、ピーナッツ由来PAC 6量体(PAC hexamer)とヒトの血中の主要タンパク質であるヒト血清アルブミン(HSA)の複合体とされるバンドの検出が可能であることを見出している。そこで、ラット血漿とPAC hexamerの混液を本電気泳動法で分析したところ、HSAと同様にラット血漿由来タンパク質とPAC hexamerの複合体とされるバンドを検出することができた。また、ラット血漿とPACの予想代謝物(16種)の混液を本電気泳動法により分析したところ、ラット血漿由来タンパク質とCaffeic acid, Dihydrocaffeic acid, (+)-Caetchin, (-)-Epicatechinの複合体とされるバンドを検出した。これら4種の化合物はカテコール構造を分子内に有することから、本電気泳動法によりPACおよびカテコール構造を有するPAC代謝物と血漿タンパク質の複合体を検出できることを見出した。今後、本分析法によりPACの投与後のラット等の血漿成分を分析することで、PACやその代謝物の吸収性を明らかにし、体内動態に関する基礎的データを提示できると期待している。
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