2020 Fiscal Year Research-status Report
癌細胞転移における新規Wntシグナル伝達経路の分子機序解明
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20K15499
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 和香子 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (30735337)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | LEF-1 / EMT / Wntシグナル / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
LEF-1による上皮-間葉転換(EMT)に関して、β-カテニンが必要ない事が証明された。LEF-1がβ-カテニンとは違う分子と結合し、EMTを引き起こしていると考え、LEF-1の新規結合相手の探索を行った。 LEF-1過剰発現細胞を用いて、LEF-1との結合が報告されているSmad分子をターゲットに免疫沈降を行った。Smad2, Smad3, Smad4抗体を用いて検討したが、どれもLEF-1との共沈が認められなかった。一過性にLEF-1及びSmad分子群を過剰発現させた系でも、LEF-1とSmadとの共沈は認められなかった。免疫沈降ではバッファーの影響が大きいため、結合が切れてしまう可能性が考えられた。そのため、CRISPR/Cas9法を用いて、Smadノックアウト細胞を作製している。Smad2, Smad3, Smad4の配列をデータベースより得て、PAM配列を翻訳開始以降で設定し、PAM配列上流20塩基をノックアウト部位とした。pCG-SapⅠノックアウトベクターにノックアウト配列をクローニングし、ノックアウトベクターを抽出した。シークエンス解析後、LEF-1発現細胞にノックアウトベクターを遺伝子導入し、LEF-1発現・Smadノックアウト細胞の作製を行っている。現在までにSmad遺伝子がノックアウトされているかは確認できていないが、表現型が変化しているクローンは得られていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、4月から3か月間ほど研究が止まってしまった。しかし、現在はその遅れを取り戻すべく研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
LEF-1によるEMT誘導領域を特定していく。LEF-1のN末端欠損変異体を8種類作製済みである。これらを細胞に導入し、EMTが起こらなくなる境界を調べる。
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