2022 Fiscal Year Annual Research Report
異質倍数性を逆手に取る:コムギNAM集団の効率的作出による有用遺伝子の網羅的探索
Project/Area Number |
20K15502
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 和紗 京都大学, 農学研究科, 助教 (60835453)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 育種学 / コムギ / 次世代シーケンス / NAM / 倍数性 / MIG-seq / 合成六倍体コムギ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年の春に多様な四倍体コムギとLangdonとのF1個体について、12006小花を除雄し、タルホコムギの花粉を受粉した結果、1781粒の三倍体種子を得た。2021年と2022年の春の2年間の交配の結果、全ての四倍体F1とタルホコムギ系統の組み合わせにおいて、三倍体種子を得ることができた。一方で、交配の成功率には変異が認められ、2021年および2022年の春の両方において交配した系統の交配効率に関して広義の遺伝率を求めたところ、H2=0.83となり、四倍体コムギとタルホコムギの交配効率は遺伝的に強く制御されていることが示唆された。 また、2021年の秋から栽培していた三倍体503個体のうち、一部の三倍体において雑種生育不全の表現型を示す個体が観察され、その多くは開花へ至らなかった。この雑種生育不全の形質に関わる遺伝解析を行ったところ2B染色体に、この雑種生育不全に関わる遺伝子座が存在することが明らかとなった。 一方で、2021年の秋から栽培していた三倍体503個体中433個体から合成六倍体と考えられる種子が得られた。2022年の秋にこれらの種子を催芽したところ、健全に生育することが確認された。これらの結果から、一部の交配組み合わせにおいては雑種生育不全を示す個体が見られるものの、Langdonを片親とした四倍体コムギF1個体にタルホコムギの花粉を受粉することによって、迅速に遺伝的に固定した分離集団を構築できることが示唆された。
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[Presentation] MIG-seqの改良法 “degenerate oligonucleotide primer MIG-seq” の開発と作物の遺伝解析に対する応用2022
Author(s)
西村和紗, 小梶裕之, 元木航, 山崎彬, 長坂京香, 滝澤理仁, 安井康夫, 河井崇, 牛島耕一郎, 山崎将紀, 齊藤大樹, 中野龍平, 中崎鉄也
Organizer
日本育種学会第142回講演会
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