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2020 Fiscal Year Research-status Report

アフリカ栽培イネ特異的な高温ストレス耐性のゲノムワイド解析とGWASカタログ構築

Research Project

Project/Area Number 20K15503
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

古田 智敬  岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (70774008)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsイネ / 全ゲノム関連解析 / 高温ストレス
Outline of Annual Research Achievements

アフリカ栽培イネ「グラベリマ」が保持する高温ストレス耐性に関わる有用遺伝子を探索するため、172系統のグラベリマ品種集団を用いた表現型調査を行った。特に高温ストレス下における不稔発生率および乳白米発生率を調査するため、品種集団を圃場で栽培し、開花期および登熟期に高温(平均気温38-40度)にした温室内で生育させた。また、アジア栽培イネの1品種「コシヒカリ」のゲノム中に一部分だけグラベリマの染色体断片を持つ系統である染色体断片置換系統群(CSSLs)を同様の条件で栽培した。現在、不稔率および種子重、白濁米率の調査を行っており、2021年度前半に完了する予定である。CSSLsも併せて調査することで、グラベリマの遺伝子がコシヒカリなどの日本水稲に導入した際の効果を検証できると期待している。
また、本年度の調査では高温ストレス耐性とは別に、短日条件下におけるグラベリマ品種間の開花時期多様性を見出した。グラベリマ品種のほとんどは日本の夏の日照変動では開花誘導されないため、短日装置を圃場に設置し開花誘導を行った。その結果、短日開始後20-40日で開花が起こり、品種によって開花までにかかる日数が異なっていた。これまで短日条件下におけるグラベリマの開花時期多様性は調査されておらず、イネの開花制御メカニズムについて新たな知見をもたらす可能性が期待される。
2020年度には、上記に加えてグラベリマゲノムデータベースの整備を行った。具体的には、グラベリマのゲノム配列情報および172系統のDNA多型情報をまとめ、ウェブブラウザ上でデータを参照できるようにゲノムブラウザおよびBLASTサーバーを構築した。最終的には、本研究で示された全ゲノム関連解析(GWAS)の結果を統合し、イネ版GWASカタログの構築を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

グラベリマ品種群における栽培試験では、当初の計画では開花期に高温ストレスを加える処理区と登熟期に高温ストレスを加える処理区を設ける予定であった。しかし、使用できるガラス温室のスペースが限定されてしまったことで、両処理区を設けることが困難となった。そこで、各個体の穂について出穂日を記録し、最初の穂が開花してから4日後に高温処理区に移して栽培した。これによって、初期に開花した穂では登熟期に高温ストレスを受け、後から開花した穂は開花期に高温ストレスを受けることになる。栽培試験の実施体制が当初の計画と変わったが、処理に方法を工夫することで当初の計画と類似した表現型の調査が実施できていると考えられる。
また、表現型調査については、上記の変更により穂ごとに詳細に調査する必要が出たため、2020年度中に調査が完了できなかった。しかし、2021年度前半には完了予定であり、計画全体に大きな支障はないと考えている。
GWASカタログ構築のためのデータベース整備は、計画通りに進行しており、表現型調査およびGWASの結果が得られ次第統合する予定である。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は、2020年度分の表現型調査を完了させGWASを行い、高温ストレス下における不稔発生率および白濁米率に関連した遺伝子座上領域の同定を行う。また、グラベリマゲノムデータベースの情報をもとに原因遺伝子候補の絞り込みを行い、有力候補についてはCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集によりその効果の検証を試みる。
また、本年度は開花期や登熟期の高温ストレス耐性ではなく、幼苗期の高温ストレス下における生育調査も併せて行う予定である。

Causes of Carryover

当初計画よりも人件費が安くなり、余剰が生じたため次年度使用額が生じた。余剰分は次年度の幼苗期高温ストレス耐性試験に必要な物品購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アフリカイネ Oryza glaberrima 品種群を用いたゲノム育種基盤構築2021

    • Author(s)
      古田 智敬 ,佐藤 豊 ,芦苅 基行
    • Organizer
      日本育種学会第139回講演会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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