2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating mechanisms of internal browning in fully ripe apple fruits by measurements of gas condition in tissue
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20K15522
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉田 実花 東京農業大学, 農学部, 助教 (50825403)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内部褐変 / リンゴ / エチレン / 貯蔵温度 / 組織内ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
長期貯蔵後のリンゴ果実では、果実内部が茶色く変色する「内部褐変」が発生することがある。本研究は、その発生メカニズムを明らかにすることを目的としている。申請者はこれまでに、収穫時期や貯蔵温度などの組み合わせにより、内部褐変が発生しやすい果実と発生しにくい果実が得られること、各条件により内部褐変の発生部位が異なることを明らかにした。褐変はポリフェノールの酸化反応によるものであるため、本研究では組織内のガス濃度に着目して、それらの果実・部位にどのような差異があるのかを調査し、内部褐変の発生メカニズムを明らかにすることを目的とした。 現在、暦日により判断した適期(12月上旬)に収穫した2020年産完熟‘ふじ’果実を、すでに明らかにした「内部褐変が発生しやすい条件」と「内部褐変が発生しにくい条件」で長期貯蔵している。また、内部褐変発生メカニズムの仮説の構築に向けて、細胞内ガス測定装置およびガス透過性測定装置の製作を行った。細胞内ガス測定装置は、軟性なものに使用することが想定されておりそのままではリンゴへの突き刺しができないことから、リンゴ用に特注シリンダーカバーを作成し装置を改良した。この装置を使用して、貯蔵中の果実への突き刺しによる果実内ガス濃度の測定を試みている。また、アクリル製のガス透過性装置を設計・製作し、異なる条件で貯蔵した果実において組織のガス濃度透過性に差異があるか調査している。 今後は貯蔵中の果実で測定した細胞内ガスおよび組織ガス透過性のデータと、貯蔵後の内部褐変の発生率に関連性が見られるか、検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、本年度は細胞内ガス測定装置およびガス透過性測定装置の作成に成功した。現在2020年産‘ふじ’適期収穫果を貯蔵中である。次年度は得られているガス測定データと貯蔵後の褐変発生との関係性について詳細な解析を行う予定であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
貯蔵後の果実の褐変発生と、貯蔵中の果実ガス透過性および組織内ガスのデータを解析し、内部褐変発生のメカニズムを考察する。内部褐変の発生のしやすさには収穫時期も影響することが明らかになっているため、次年度産果実では収穫時期を変えて同様の貯蔵試験を行い、収穫時期により褐変発生に違いが生じる要因を解析する。また、長期貯蔵を行っても褐変が発生しにくい品種を供試して、果実ガス透過性および組織内ガスの品種間差異についても調査する。
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Causes of Carryover |
装置の再改良が必要となり、一部の実験を次年度実施に変更したため、次年度の消耗品として使用する。
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