2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating mechanisms of internal browning in fully ripe apple fruits by measurements of gas condition in tissue
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20K15522
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉田 実花 東京農業大学, 農学部, 助教 (50825403)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内部褐変 / リンゴ / 組織内ガス / 酸素 / エチレン / 貯蔵温度 / 収穫時期 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期貯蔵後のリンゴ果実では、果実内部が茶色く変色する「内部褐変」が発生することがある。本研究は、その発生メカニズムを明らかにすることを目的としている。申請者はこれまでに、収穫時期や貯蔵温度などの組み合わせにより、内部褐変が発生しやすい果実と発生しにくい果実が得られること、各条件により内部褐変の発生部位が異なることを明らかにした。褐変はポリフェノールの酸化反応によるものであるため、本研究では組織内のガス濃度に着目して、それらの果実・部位にどのような差異があるのかを調査し、内部褐変の発生メカニズムを明らかにすることを目的とした。 内部褐変の発生には、収穫時期も影響し、収穫が遅れた果実では内部褐変が増加することが確認されている。そのため、現在は暦日により判断した適期(11月下旬)と、その1週間前および1週間後に収穫した2021年産完熟‘ふじ’果実を、すでに明らかにした「内部褐変が発生しやすい条件」と「内部褐変が発生しにくい条件」で長期貯蔵している。また、内部褐変発生メカニズムの仮説の構築に向けて、昨年度製作した細胞内ガス測定装置およびガス透過性測定装置を利用して、貯蔵中の果実への突き刺しによる果実内ガス濃度と果実組織のガス透過性の測定を行い、データを蓄積しているところである。今後は、貯蔵6か月後の果実で内部褐変の発生を確認するとともに、貯蔵中のガスデータと内部褐変発生の関連性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、昨年度製作した細胞内ガス測定装置およびガス透過性測定装置を用いて、貯蔵果実のデータを蓄積している。次年度は得られている貯蔵中のガス測定データと内部褐変発生の関係について、詳細な解析を継続する予定であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
貯蔵後の果実の褐変発生と、貯蔵中の果実ガス透過性および組織内ガスのデータを解析し、内部褐変発生のメカニズムを考察する。次年度産果実では、長期貯蔵を行っても褐変が発生しにくい品種を供試して、果実ガス透過性および組織内ガスの品種間差異について調査する。
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