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2021 Fiscal Year Research-status Report

カイコとエリサンの集中産卵性を制御する遺伝子基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 20K15535
Research InstitutionGakushuin University

Principal Investigator

李 允求  学習院大学, 理学部, 助教 (50847168)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords産卵様式 / 家畜化 / エリサン / カイコ / クワコ / シンジュサン
Outline of Annual Research Achievements

エリサンとシンジュサンを交配させて得たF1個体は, 正逆別の交配によって, 産卵様式が変わることが既に明らかになっており, 産卵様式を支配する遺伝子は, Z染色体と連鎖していると考えられる. そこで, F1雄個体をエリサンに戻し交配させて得られるBC1世代の個体において, ポジショナルクローニングをおこなった. その結果, Z染色体の約1.0Mbpに存在する遺伝子によって産卵様式が支配されていることが明らかとなった. また, カイコとクワコにおいても同様の実験をおこない, クワコ型の分散型の産卵性を示すBC1個体が有するクワコ由来の領域は, 前述のエリサン-シンジュサンの実験において絞り込まれた責任領域と相同な領域であった.
次に, トランスクリプトーム解析により, 産卵時にエリサンの脳で発現している遺伝子を網羅的に調べた. このうち, ポジショナルクローニングによって絞り込まれた領域に存在し,さらにアミノ酸をコードしている遺伝子は49個存在していた. また, このうちの1遺伝子には, 他の鱗翅目昆虫のオーソログとアライメントした際に, エリサンにおいてのみ認められる1アミノ酸置換が存在していた. 現在, 分散産卵性を固定したcongenic系統を樹立中であり, 系統が樹立し次第, CRISPR/Cas9システムを用いてノックアウト実験をおこなう.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度には, 順遺伝学解析を効率よく進めることができ, エリサンーシンジュサンの系においては, 責任領域を1Mbpの領域まで狭めることができた. さらに, カイコークワコを用いた系においても, 上記エリサン-シンジュサンにおいて絞り込まれた領域と相同な領域にまで責任領域を絞り込むことができた. 当該領域には, 多数の遺伝子モデルが予測されているが, 実際に雌蛾の脳および第9神経節で発現している遺伝子は50個以下であり, 他の鱗翅目昆虫のオーソログとの配列比較から, 候補遺伝子についても目星がついている.

Strategy for Future Research Activity

今年度は, 候補遺伝子の遺伝子ノックアウトおよび, 当該遺伝子の機能解析をおこなう. 結果が得られ次第, 速やかに論文化をおこなう.

  • Research Products

    (5 results)

All 2021

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] シンジュサン・エリサンの産卵様式を決定する遺伝子の探索2021

    • Author(s)
      川越凜・嶋田透・李允求
    • Organizer
      日本蚕糸学会
  • [Presentation] エリサンとシンジュサンの交雑後代で生じる赤繭形質の発現を支配する遺伝子基盤の解明2021

    • Author(s)
      李允求・嶋田透
    • Organizer
      日本蚕糸学会
  • [Presentation] シンジュサンの緑色体色を構成する黄色色素の蓄積を支配する遺伝子の解明2021

    • Author(s)
      真家悠輔・李允求・嶋田透
    • Organizer
      日本蚕糸学会
  • [Presentation] エリサンのヒマ食性を支配する遺伝子基盤の解明2021

    • Author(s)
      岡本眞奈・李允求・嶋田透
    • Organizer
      日本応用動物昆虫学会
  • [Presentation] イチジクカサンのゲノム解析2021

    • Author(s)
      李允求・嶋田透
    • Organizer
      日本応用動物昆虫学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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