2021 Fiscal Year Research-status Report
乾燥地における砂丘が周辺の草原植生に与える正の影響
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20K15551
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮坂 加理 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00780173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | モンゴル / 乾燥地 / 砂丘 / 草原 / 植生変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
モンゴルのフスタイ国立公園で、砂丘に隣接するステップ草原では、砂丘から離れた草原と比較して植生量の多いことを実際に観察し、砂丘の存在が周囲のステップ草原の植生の生育を増加させる可能性を示唆した。本研究では、フスタイ国立公園での植生増加の原因を突き止めるために、土壌水分環境に着目し、砂丘の存在が近隣の土壌水分環境および植生に与える影響を明らかにすることを目的としている。 砂丘に隣接するステップ草原では、砂丘から離れた草原と比較して、植生量が非常に多いことを実際に観察したモンゴル国のフスタイ国立公園を対象とし、フィールド調査を行い、別途、モンゴル国や中国の砂丘地を対象としフィールド調査を行う予定であった。 しかし、コロナ禍によりモンゴル国および中国への入国ができなかったことから、フィールド調査以外の方法として衛星画像による解析で植生の違い等見ることができるかについて明らかにするため、現地で砂丘地からの距離に応じて植生が大きく異なっていたモンゴル国フスタイ国立公園の砂丘地および草地において解析を試みた。その結果、解像度10m程度の衛星画像を用いても植生の差を見ることは難しく、砂丘からの距離と植生の変化を明らかにすることはできなかった。植生の判別を行うためには解像度が数十センチレベルが必要だと考えられるものの、精度と費用から考えて難しいと考えられる。 2022年度では、ようやくモンゴル国への入国が認められていることから、状況をみながらではあるが、可能な限り現地での調査を当初の予定通り行うことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍に伴い、現地での調査ができなくなったため、2021年度では衛星画像を用いて植生変化の解析を行った。しかし、10m程度までの解像度の衛星画像では植生変化をとらえることはできなかった。それ以上の解像度を上げれば植生解析ができた可能性もあるものの、衛星画像が高額となる問題も出てきたため、2022年度では可能なかぎり当初予定していたフィールド調査を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年4月時点では、モンゴル国への入国は可能となってきたため、出来る限り当初予定していたフィールド調査を行う予定である。8月に長期間滞在し、植生調査および土壌調査を行う予定である。 時間が足りず採取できなかった土壌調査が生じた場合には、9月もしくは10月頃に再度調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初2021年度に予定していたモンゴル国や中国での現地調査が全て行えなかったため、調査に伴う費用および準備費用、その後の分析費等全てを2022年度に繰り越しすることとなった。 2022年度においては、4月現在ではモンゴル国への入国は可能となっているため、8・9月においても入国が可能な場合には、当初予定していた現地調査を行う予定である。使用額については、予定通りの調査費で使用する予定である。
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