2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K15554
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
河合 清定 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 任期付研究員 (50846334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 亜熱帯気候 / 海洋島 / 気候変動 / 固有種 / 水分生理 / 植物解剖学 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾燥ストレスに対する葉通水性の低下パターンを明らかにするため、小笠原諸島父島において現地調査を行った。葉の生理・形態特性が大きく異なる6樹種を対象に、葉のガス交換特性、水ポテンシャルを測定し、葉の通水性の日変化を推定した。その結果、6樹種において、葉通水性の日変化パターンは大きく異なり、午前中に増加し、乾燥ストレスが強くかかる午後に減少する種と、あまり変動を示さない種が存在した。日最大通水性、日最低通水性も種間で大きな変異が見られた。日最低通水性は葉の細胞壁のヤング率と種間で正の相関を示し、通水性の乾燥応答において、葉の力学特性が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査が実施でき、仮説検証に必要なデータを順調に取得できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
葉の力学特性と通水性の関係を詳細に検討するため、葉の膨圧減少に伴う通水性ならびに組織構造の形状の変化、葉を構成する組織の力学特性の定量を行う。また、葉通水性の低下が個体全体の通水性、ガス交換特性にどのような影響を与えるかを解析する。得られた結果をまとめ、論文として公表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大により出張計画を縮小したため。次年度使用額については、今年度の現地調査、および必要な物品購入費に充てる予定である。
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