• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

地下に子実体を形成する根部内生菌の分散生態に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K15565
Research InstitutionForest Research and Management Organization

Principal Investigator

中村 慎崇  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10867534)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords根部内生菌 / ビョウタケ目 / 子実体 / 分散 / マイクロサテライト
Outline of Annual Research Achievements

前年度に引き続き、土壌中に発生するHymenoscyphus属菌の子実体を5県10か所から採集し、落下法により276菌株を得た。4遺伝子座のDNA塩基配列を解析した結果、これらは発生環境や子実体形態が極めて似ていたものの、一貫して異なるクレードを形成する4系統からなり、種複合体を形成していることが示唆された。これらは同様にHymenoscyphus monotropaeのタイプ由来菌株とも区別でき、本課題で収集された子実体はいずれもH. monotropaeとは別種であると考えられた。この結果は、樹木の根に子実体を発生させるHymenoscyphus属菌の種多様性が当初の想定より高く複数の未記載種を含むことを示しており、今後採集地点を増やすことで更に多くの種を発見できる可能性がある。今回収集した系統については、現在記載の準備を進めている。
当初の計画に基づき、上記4系統のうち最も広範囲で採集された1系統に着目してゲノム解析を行うとともに、当該ゲノム情報を基にして集団遺伝構造解析に用いるためのSSRマーカーを19種類設計した。このうち多型を示す13種類について前年度に収集した菌株のうち292菌株を解析に供したところ、座位あたりのアレル数は2から12、平均6.2であり、本系統の遺伝構造を解析する上で有用であると考えられた。また、少なくとも1座位でヘテロ接合を示したのはわずか3個体であり、大部分の子実体は自殖に由来していると考えられた。次年度以降は上記のマーカーを用いて引き続き前年度と今年度に収集した菌株の解析を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

樹木の根に発生するHymenoscyphus属菌は当初想定していたよりも多様であり、分類学的な検討を加える必要性が生じたことから、当初予定していた作業に遅れが生じている。分子マーカーの作成が完了し、収集した菌株の解析は順調に進んでいる。また、新型コロナウイルス対策として県境を跨ぐ移動の頻度を減らしたことから県内での採集が中心となった一方で、採集菌株数自体は前年度採集分を加えて合計762菌株となり、順調に増加している。以上を考慮して、令和3年度の進捗状況はやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

樹木の根に発生する多様なHymenoscyphus属菌について、引き続き採集を継続するとともに本属菌の多様性を明らかにし、分類学的な検討を行う。今年度までに分子マーカーの開発及び多数の地点からの標本収集を行ったので、今後はこれらの材料を使って集団遺伝構造の解析を進めるとともに、成果の取り纏めを行う。

Causes of Carryover

計画よりも遠方での採集回数を減らし、県内での採集回数が増加したことにより旅費に余裕が生じた。また、研究の進捗状況に応じていくつかの購入物品が後回しになっており、これらを次年度以降に調達する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 根部内生菌Hymenoscyphus sp.の子実体形態および子実体発生パターン2022

    • Author(s)
      中村慎崇
    • Organizer
      第133 回日本森林学会大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi