2023 Fiscal Year Research-status Report
栽培きのこ鱗翅類害虫の同定手法の開発および生活史・分布情報のデータベース構築
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20K15566
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
長田 庸平 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 学芸員 (20803307)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 森林害虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
林業における有用きのこの栽培において、害虫防除管理は重要な課題である。とくに、シイタケオオヒロズコガやコクガなどの小蛾類害虫は、シイタケの生産量を大幅に落とすため、防除的研究が急務となっている。さらには、シロスジカバマルハキバガも近年害虫として知られるようになった。これらの小蛾類は幼生期の記載が著しく遅れており、幼生期における識別法の確立が求められている。本研究は、これらの小蛾類害虫の成虫・蛹・幼虫の形態記載を行い、さらにはDNAの配列情報や分布情報や生活史情報を含め、データベース化を行い、どの発育ステージでも迅速で正確な同定を可能していくものである。 昨年度は鳥取県、大分県、長崎県などでシイタケ害虫のサンプリングを進め、形態記載の材料を揃えることができた。そして、過去の記載論文の修正すべき点を確認できた。現在は、再記載論文の執筆の準備を進めている。日本昆虫学会、日本環境動物昆虫学会、日本応用動物昆虫学会、日本蛾類学会などの会合に出席し、研究成果を発表し、関連のある研究者から有用なご意見を聞くことができた。そして、共同研究者と今後の研究について打ち合わせを進めてきた。大阪公立大学では標本調査を行うことができた。 この他、形態記載に必要な文献や機材や薬品を揃えることができた。 これらの有害小蛾類の識別法の確立に関する研究成果が認められ、2023年11月に日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプリングが進んで、形態記載の準備を始めている。標本調査の課題が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
各地の試験場とやり取りし、サンプルをさらに増やしていきたい。そして、標本調査を進め、シイタケ害虫種の分布情報を蓄積していきたい。潜在害虫に関する情報を収集するため、森林環境で害虫調査を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2020-2022年の3年間、コロナによる出張制限がかかっていたため。
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