2020 Fiscal Year Research-status Report
仮道管から考える樹木の力学的支持と通水性のバランス維持メカニズム
Project/Area Number |
20K15573
|
Research Institution | Shizuoka Professional University of Agriculture |
Principal Investigator |
相蘇 春菜 静岡県立農林環境専門職大学, 生産環境経営学部, 助教 (80836304)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 仮道管 / 樹体支持 / 通水性 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部機関での実験を実施できなかったため、実験環境整備と取得済みであった、イチョウあて材に関する力学特性の解析とフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)により得られたスペクトル解析および組織観察を中心に行った。解析は現在も継続しているが、樹体支持機能の発揮に伴い、応力-ひずみ線図が鉛直個体のものとは大きく異なる挙動を示すことが明らかになった。これまでの成果を含めて考察すると、樹体支持機能の発揮に伴いイチョウの仮道管は支持機能を強化した仮道管を形成するが、通水性が完全に失われるということはないと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、実験環境の整備に想定以上の時間を要しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
採取済みの試料について、ミクロフィブリル傾角を計測する。生育時に近い状態を再現した、生材状態における力学特性との関連を評価し、樹体支持機能発揮にかかる細胞壁構造の変化の程度と通水性との関連を考察する。
|
Causes of Carryover |
実験環境整備の遅延に伴い物品等の購入に遅延が生じたため。次年度において、引き続き外部機関への出張に制限があると予測されるため、力学特性評価のための材料試験機の購入を検討している。
|