2022 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the tribology property in wood by "In-situ observation of contact interface"
Project/Area Number |
20K15574
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
飯田 隆一 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 助教 (20803448)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 木材 / 摩擦係数 / 摩擦速度 / 凝着 / 潤滑 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度は,木材が金属材料と摩擦する際の摩擦速度の影響に加えて,異なる粘度の潤滑剤が介在する場合の摩擦挙動の変化について明らかにすることを試みた。 摩擦速度が異なる条件における摩擦挙動の変化に関しては,摩擦速度0.34m毎秒の低速条件においては,摩擦距離の増加に依存せず,安定した摩擦挙動を示したのに対して,摩擦速度が1.70m毎秒を以上の条件となると,摩擦距離が増加した際に,摩擦係数が大きく変動する挙動を示した。摩擦挙動が不安定になる現象は,金属材料へ木材成分が凝着することに起因しており,摩擦速度が大きな条件においては,木材と金属材料との摩擦熱により接触界面の温度が上昇することで,木材成分が金属材料へ凝着することが摩擦挙動の不安定化に繋がることがわかった。 加えて,潤滑剤が接触界面に介在する条件下における摩擦挙動の変化について検討を行った。異なる粘性を持つシリコンオイルを金属表面に常時供給し,木材を摩擦した場合,潤滑剤の粘度および摩擦速度の影響を受けて,摩擦係数が変化することがわかった。また,潤滑剤の粘度および摩擦速度が一定程度を超えると,常に安定した摩擦挙動を示すことがわかった。粘度が低い潤滑剤を用いた条件においては,潤滑の作用が小さくなる場合があり,摩擦距離の増加に伴って摩擦挙動が不安定化する場合が認められた。 以上の最終年度における研究成果およびこれまでの研究成果を総括すると,本研究の目的である木材のストライベック曲線の解明に向けて,潤滑の作用が小さい条件から種々の粘性を持つ潤滑剤を用いた条件における木材と金属表面との摩擦時における摩擦係数の変化挙動を明らかにすることができた。
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